秋の日本民家園(7)
今回も囲炉裏に火を入れての床上公開がなかった。前回はあったような気がしていたが、記憶違いだったようだ。少なくとも、もう1回は行かないと完全には見ることができなさそうだ。ということで、ちょっと覗くだけしかできなかった。
こちらも、国指定重要文化財。五箇山の庄川本流系の合掌造りだそうだ。他とどういう違いがあるのかは浅学な私にはわからない。ただただ立派な建物だと驚嘆しながら眺めるばかりだ。
この日本民家園では中心的な建物のようだ。見てきたばかりの佐々木家住宅が優雅な感じなのに対し、こちらはかなり雄々しい感じを受ける。『豪雪、かかってこいや!!』って挑発しているかのようだ。
正面からの様子
ここで初めて縞々の茅葺き屋根を見た。今まで見てきた茅葺き屋根はすべてスムーズに切り揃えてあって、こうした葺き方には本当に驚いた。男性的な感じがする。



正面以外の外観
下部の茅が少し痛々しい感じになってきているなあ。そろそろ吹き替えがあるのだろうか。その際には見てみたいものだ。



前回撮影分から

建物の南側の軒下

屋内の様子
江向家の間取り

ウマヤ

ミソベヤ

ニワ
中奥には炊事場。石の水舟がある立派なもの。左奥は紙漉きの設備。その手前は竈。一つしかなかったのだろうか?煮込みとか保温は囲炉裏に持って行って行ったのかもしれない。


紙漉きと竈

オエとデイ
それぞれに囲炉裏がしつらえてあった。囲炉裏の上には火棚を吊って、防火と煙の拡散と乾燥などの役割を負わせたようだ。デイの梁を見ると、曲がった材木を苦もなく使いこなしていることがよく分かる。


機織り機

ブツマ
床上げ公開をしていなかったので、手をいっぱいに伸ばして撮った。立派な仏間のように見える。


国指定重要文化財
旧所在地:富山県南砺市上平細島
建物区分:農家(組頭の家)、合掌造
構造形式:切妻造、妻入、茅葺、一重三階、桁行19.6m、梁行8.5m
建築年代:18世紀初期
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田の字型の間取りを持つ合掌造りの家
富山県の五箇山地方は、岐阜県の白川地方とともに合掌造で知られています。しかし、それぞれ特徴があり、五箇山でも庄川本流と支流の利賀谷(とがだん)とでは違いが見られます。
この建物は庄川本流系で、「妻入」「正面に茅葺(かやぶき)の庇を付けた入母屋造風」「田の字型の四間取り」といった特徴を持っています。床上には、下手に囲炉裏(いろり)のあるデイとオエ、上手にオマエとヘヤが並んでいます。デイは接客用、オエは日常生活の場、ヘヤは寝室、オマエは正式な座敷です。このオマエは畳敷きで、浄土真宗が盛んな地域のためブツマ(仏間)が設けられています。
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見どころポイント!
急勾配の大屋根は、手を合わせた形から合掌造と呼ばれます。2階3階は養蚕などに使われました。
いろりの上の大きな棚は、火の粉が上がるのを防ぐとともに、濡れたものの乾燥などに使いました。