寿福寺と英勝寺(2) - 寿福寺と英勝寺_2014_Sep
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寿福寺と英勝寺(2)

英勝寺(1)

『平成25年8月7日、鎌倉市の英勝寺に所在する「仏殿、山門、鐘楼、祠堂、祠堂門」の5棟の建造物が国の重要文化財に指定されました』という記事をみて、文化財フェチの私はとるものもとりあえず、見に行った。予想以上に素晴らしい寺院だった。あまり名前が知られていない今が、見るのには最適かもしれない。

総門かな
通常はここからは入ることができない。特別なときのみ通用が許されるのかもしれない。
ということで、一般の拝観は奥の通用門から行う。国の重要文化財に指定されたのは「仏殿、山門、鐘楼、祠堂、祠堂門」の5棟の建造物であり、総門自体は今回の文化財指定には含まれていない。

総門かな_1
総門かな_2
こんな石碑などもある
鎌倉市内の随所に見られる青年会建立の石碑だ
青年会建立の石碑
後述の通り、山門は、関東大震災後、他所に移築されていたが、平成23年に境内の旧位置に戻されたのだ。そして、平成25年8月7日に5棟の建造物がまとめて国の重要文化財に指定されたのだが、その辺の記載が一切無い。したがって、この表示板は暫く前に設置されたもののようだ。せっかくの観光資源なのだから、最新のものに記載内容を更新しておくべきだろう。
鎌倉市が作成した説明表示板
通用門から入る
通用門から入る_1
通用門から入る_2

英勝寺は、徳川家康の側室英勝院が創建した寺院で、太田道灌の子孫である英勝院が先祖ゆかりの地に寺地を徳川将軍家から賜ったのが始まりです。英勝院が水戸徳川家初代頼房の養母となった縁から、代々水戸徳川家の息女が住持を務めました。今回国指定重要文化財となった5棟の建造物は、既に県の重要文化財に指定されていましたが、江戸時代前期に建立で意匠に優れた堂宇が高く評価され、この度、国の重要文化財に指定されました。
どうもこの辺りだったのではと英勝院が聞いたということがこの地を徳川家から賜るきっかけだったようで、正確な場所は不明なようだ。それをいまさら詮索しても始まらないことだろう。

内側から見た総門
光線の加減ではっきり撮ることができなかった
内側から見た総門
鐘楼との位置関係は写真のとおり
鐘楼との位置関係は写真のとおり

鐘楼(国指定の重要文化財)
東照宮などにある鐘楼ほど大きくはないが、形状的には同様のもので、こうした形状での建築を許された事自体、大変な格式を物語っているように感じた。調べたところ、袴腰付楼閣形式という寺格の高い寺にしか見られない珍しい様式だそうで、近世の鎌倉では唯一のようだ。
鐘楼(国指定の重要文化財)_1
鐘楼(国指定の重要文化財)_2
鐘楼(国指定の重要文化財)_3

●英勝寺の国指定文化財(建造物)…仏殿、山門、鐘楼、祠堂、祠堂門

英勝寺は、鶴岡八幡宮の西方、扇ガ谷に位置する徳川家康の側室の英勝院が創建した浄土宗の尼寺である。水戸徳川家とのゆかりが深く、同家の姫が代々の住持を務めた。寛永20年(1643)の英勝院一周忌に向けて建物が整備された。仏殿をはじめとする各建物は、禅宗様と和様を自由に組合せた江戸時代前期らしい意匠を持ち、屋根の弛みも軒の反りもつけない直線的な屋根形状で統一している。山門は、関東大震災後、他所に移築されていたが、平成23年に境内の旧位置に戻された。本堂西には祠堂と祠堂門が建ち、奥には英勝院墓がある。祠堂は方三間宝形造の建物で、内外部ともに漆塗や彩色で飾る。英勝寺は、禅宗様を基調としつつ、屋根や軒を直線で構成するなど独創性のある意匠で、境内全体を統一している。江戸時代前期の主要な堂宇が、墓所と一体となって良好に保存されており、貴重である。

名称:英勝寺
ふりがな:えいしょうじ
棟名:鐘楼
ふりがな:しょうろう
員数:1棟
種別:近世以前/寺院
時代:江戸前期
年代:寛永20年
西暦:1643
構造及び形式等:桁行三間、梁間二間、袴腰付、入母屋造、瓦棒銅板葺
創建及び沿革:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項:
指定番号:2597
国宝・重文区分:重要文化財
重文指定年月日:2013.08.07(平成25.08.07)
国宝指定年月日:
追加年月日:
重文指定基準1:(一)意匠的に優秀なもの
重文指定基準2:(三)歴史的価値の高いもの




AzTak
Posted by AzTak
投稿 2014年09月21日
最終更新 2014年09月21日

4 Comments

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のんびり熊  

AzTakさん

こんばんは
通用門はともかく、鐘楼は素晴らしいですね。
このような鐘楼は見たことがありません。
総門の紋や屋根の紋は、葵の御紋ですか?

2014/09/21 (Sun) 19:38

AzTak  

Re: AzTakさん

> こんばんは

のんびり熊さん、こんばんは。

> 通用門はともかく、鐘楼は素晴らしいですね。
> このような鐘楼は見たことがありません。

袴腰付きの鐘楼ですか。東照宮に一回り大きなものがあります。
それから比べると小振りですが、実物を見ると唸ってしまう迫力があります。

> 総門の紋や屋根の紋は、葵の御紋ですか?

もちろん、その通りです。これから取り上げるところはもっと立派です。そして、その全てに、葵の御紋があります。

2014/09/21 (Sun) 20:01

HARU  

こんばんは。

これまたお洒落な洋風通用門で。あれれっと思ってしまいました(笑)。
袴のある鐘楼は格式が高いと言うのは初めて知りました。なるほどそう言われてみるといくつか袴を着けていたと記憶にある寺院の鐘楼もそうだったんだと。本殿を見るのが楽しみです。

2014/09/21 (Sun) 21:24

AzTak  

Re: こんばんは。

HARUさん、こんばんは。

> これまたお洒落な洋風通用門で。あれれっと思ってしまいました(笑)。

そうですね。総門は特別なときのみ開門するんでしょうかね。鎌倉唯一の尼寺だそうですから、そちらのセンスの発露なのかもしれませんね。
水戸さまの尼寺なんだそうです。あのお方は、松戸のお屋敷が重要文化財になったエピソードは話されていましたが、こちらの方は何も。いまは、徳川家の手を離れているんでしょうかね。

> 袴のある鐘楼は格式が高いと言うのは初めて知りました。なるほどそう言われてみるといくつか袴を着けていたと記憶にある寺院の鐘楼もそうだったんだと。本殿を見るのが楽しみです。

多分、そういうことを許される格式があったんだと思います。そうじゃないのに勝手に作ったりすると、出る釘は打たれるようなお咎めを受けたりしたかもしれませんね。
ここは山門、仏殿などは存在するのですが、本堂は無いようです。尼様の居住空間は書院なんでしょうかね。仏殿は、禅宗様方三間裳階付の建物で「宝珠殿」(ほうじゅでん)と呼ばれるものだそうです。
方三間の裳階(もこし)つき。蟇股には十二支が彫られていたり、ご本尊は家光寄進の運慶作といわれている仏像だったり。どれだけ豪勢なのかと思います。但し、私のカメラの腕が悪く、普通の寺院にしか見えないのが申し訳ないところです。
鎌倉においでになる機会があれば、是非ともご自分の目で確認していただきたいところです。鎌倉駅から徒歩10分程度です。

2014/09/21 (Sun) 22:19

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