川崎市立日本民家園(13) - 川崎市立日本民家園_2014_Jun
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川崎市立日本民家園(13)

(16)清宮家住宅(きよみやけじゅうたく)《神奈川の村》
(13)の広瀬家住宅と同様、芝棟(しばむね)があり、アヤメの仲間のイチハツという花が植えてある。5月には花が咲くそうだ。撮影時期は6月半ばだが、白く見えるのが咲き残っているもののようだ。広瀬家はイワヒバを植えてあったのを記憶されているだろうか。最初はぺんぺん草が生えているのかなどと失礼なことを思ったのだが、見当違いも甚だしいことだった。
この日本民家園で一番古い建物と見なされているようで、既に300年以上経過しているようだ。大したことはないと思っていたら、いろいろあって、いい意味で予想が裏切られた。

神奈川県指定重要文化財
旧所在地:神奈川県川崎市多摩区登戸
建物区分:農家
構造形式:寄棟造、茅葺、桁行13.6m、梁行8.2m
建築年代:17世紀後期
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棟に花が咲く古い様式の民家
この建物は、当園にほど近い多摩区登戸にありました。
屋根は頂上を土の重さで押さえ、その土が落ちないよう草花が植えてあります。これは「芝棟(しばむね)」と呼ばれ、武蔵国西部の素朴な農家の姿を伝えています。
間取りは、囲炉裏(いろり)のあるヒロマを中心に上手をデエ(座敷)とし、それぞれの裏に寝室と考えられる小部屋を設けています。これは、神奈川県の古式な民家に限られる形式です。また土間の梁には曲がった太い材が使われ、デエとデエドコ(土間)の境は格子で仕切られています。なお、この家はデエドコに勝手口(かってぐち)がありません。これは、家の前の小川に流しが設けられていたためです。

外観
外観_1
外観_2
前2ショットでは外観がわかりにくいと思われるので、背後からのショットも付け加える
外観_3
内部
デエドコ
ものすごく曲がった材木を梁として使用している。ヒロマとの境には格子窓がはめられている。
なお、民家園の解説にはデエドコに『勝手口がない』と書かれている。確かに勝手口はないが、文脈からすると、多分『お勝手がない』の間違いだと思う。
デエドコ_1
デエドコ_2
デエドコ_3
ヒロマ、デエ、裏部屋
立派な梁だ
立派な梁だ
ヒロマとデエドコの境には格子窓が
ヒロマとデエドコの境には格子窓が
デエ
畳敷きの部屋だ。この民家園で最古の家屋だというのに、かなり贅を尽くした建物のようだ。
デエ
ウラベヤ(見取り図では『ヘヤ』と表示されていた)
出ました。どうも神奈川県の丹沢よりの地域には多かった様子の竹簀子の部屋。自分たちは質素に暮らしていたようだ。
ウラベヤ
ヘヤ(見取り図では『裏部屋』と表示されていた)
置いてあるのは車長持。見た感じは相当に頑丈。かなり高価なものだったと思われる。これに家財道具一切合財を詰め込んで火事の時に避難したりしたようだ。ところが、『振袖火事』の時に立ち往生した車長持が道を塞ぎ、被害をより大きくしたことから、天和以降の製造が禁止されたそうだ。従って禁止年の天和3(1683)年以降の物はない。少なくても331年以上は経過していることになる。
この車長持は2014年現在で353年前のもの。

ヘヤと車長持
車長持の説明
清宮家の間取り
清宮家の間取り
付属して展示されていた農機具小屋
小屋そのものは新しく展示用に作られたもの
付属して展示されていた農機具小屋_1
付属して展示されていた農機具小屋_2

(整理番号無し)棟持柱の木小屋(むなもちばしらのきごや)《神奈川の村》
柱が掘立式なのが、掘っ立て小屋の語源となったのか。なるほど。
川崎市重要歴史記念物
旧所在地:神奈川県川崎市多摩区生田
建物区分:農家付属建物
構造形式:切妻造、杉皮葺、一面下屋付、桁行3.6m、梁行2.7m
建築年代:大正13年(1924)頃
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堀立ての棟持柱を持つ薪小屋
この建物は、カマドのための薪(たきぎ)や落ち葉などを蓄えておく小屋でした。構造としては二つの点で注目されます。まず一つは、棟持柱(むなもちばしら)を持つ点です。二本の棟持柱が棟木(むなぎ)を受けるとともに屋根を直接支え、屋根の骨組みと柱が一体化しています。もう一つは、柱が掘立式(ほったてしき)である点です。移築前は礎石建(そせきだて)に改められていましたが、もとは地中に約33cm埋められていたことが調査によってわかりました。柱はほとんどがクリの木を使用し、壁は「せっぱ(切端)」と呼ばれるスギ板を打ち付けたものです。
この建物は民家の原初的な構造と通じるものがあり、多摩丘陵の農家にあった付属屋(ふぞくや)の一例としても参考になります。

棟持柱の木小屋_1
棟持柱の木小屋_2
AzTak
Posted by AzTak
投稿 2014年07月05日
最終更新 -0001年11月30日

8 Comments

There are no comments yet.

Mika  

AzTakさん、こんにちは♪

1枚目のお写真いいですね。
それに「芝棟」がとても興味深いです。
なんだか外観がかわいらしく見えます♪
AzTakさんのぺんぺん草が生えている、には笑いました~。
このお写真を見て、現代のビルの屋上で
緑を育てている様子が思い浮かびました。
ここのは土が落ちないようにとあるので
現代のそれと同じ理由ではないですが、それに建物も全然違いますが
どこか似たような風景にホッとするものを感じました^^

2014/07/05 (Sat) 01:41

モカ  

こんにちは

芝棟、自然と生えてしまったかと思ったら 土が落ちないように敢えて植えているのですね。
私も最初ぺんぺん草に見えましたよ^^;
芝棟の緑が可愛らしくて ジブリの世界に出てきそうです^^

2014/07/05 (Sat) 10:46

のんびり熊  

AzTakさん

こんにちは
車長持なる物の、実物は始めて見ました。
何かの時代小説で読んだような?
或いは他で読んだかな?記憶にありませんが・・・
裏長屋では、火事になれば風呂敷包みを担いで逃げたんでしょうね。

2014/07/05 (Sat) 13:09

土佐けん  

こんばんは

ここって囲炉裏のそばに座って撮影が出来るんですね^^
囲炉裏の火の画を撮ってみたくなります^^
火の表情も面白いですよね^^

2014/07/05 (Sat) 21:00

AzTak  

Re: タイトルなし

> AzTakさん、こんにちは♪

Mikaさん、こんばんは。大変遅くなり申し訳ありませんでした。出先にWIMAXを持参するのを忘れ、アクセスできずじまいでした。

> 1枚目のお写真いいですね。
> それに「芝棟」がとても興味深いです。
> なんだか外観がかわいらしく見えます♪
> AzTakさんのぺんぺん草が生えている、には笑いました~。

『芝棟』に関しては、私が知らないだけでした。東北から関東にかけては割りと多かったようです。
そういえば、茅葺屋根の上に草が生えていた記憶が。でも、その時も単なる雑草だと思っていたのでした。
最初にそう思い込むと印象はなかなか訂正できないものですねえ。(^_^;)

> このお写真を見て、現代のビルの屋上で
> 緑を育てている様子が思い浮かびました。
> ここのは土が落ちないようにとあるので
> 現代のそれと同じ理由ではないですが、それに建物も全然違いますが
> どこか似たような風景にホッとするものを感じました^^

いい感じですよね。アヤメの仲間のイチハツという花は、ものすごいきれいな花なんですねえ。あとで調べてびっくり。
60年以上生きてきましたが、知らないことばかりです。いまさらですが、焦っています。

2014/07/06 (Sun) 18:18

AzTak  

Re: こんにちは

モカさん、こんばんは。

> 芝棟、自然と生えてしまったかと思ったら 土が落ちないように敢えて植えているのですね。
> 私も最初ぺんぺん草に見えましたよ^^;
> 芝棟の緑が可愛らしくて ジブリの世界に出てきそうです^^

子供の頃、屋根に草が生えているなとは思っていましたが、あれが『芝棟』というもので、わざとそうしているなんて本当に知りませんでした。ごく幼いころに、右ならえ式に瓦葺きにしなおしてしまいましたから、記憶を修正するチャンスすらありませんでした。(←みっともない言い訳です)

2014/07/06 (Sun) 18:24

AzTak  

Re: AzTakさん

> こんにちは

のんびり熊さん、こんばんは。

> 車長持なる物の、実物は始めて見ました。
> 何かの時代小説で読んだような?
> 或いは他で読んだかな?記憶にありませんが・・・
> 裏長屋では、火事になれば風呂敷包みを担いで逃げたんでしょうね。

車長持は頑丈に作られている感じで、300年以上経っているのに、ちょっと手荒に扱っても壊れたりしないような感じでした。逃げるときに家財道具を少しでも多く持ちだそうとして、相当に詰め込んだのでしょうね。泥濘などに嵌って、立ち往生する事があったようです。
それって、車長持が悪いわけじゃないのに、とんだとばっちりでしたね。

2014/07/06 (Sun) 18:30

AzTak  

Re: こんばんは

土佐けんさん、こんばんは。

> ここって囲炉裏のそばに座って撮影が出来るんですね^^
> 囲炉裏の火の画を撮ってみたくなります^^
> 火の表情も面白いですよね^^

勿論できます。子供の頃、自分が住んでいたところよりまだ田舎だった親戚の家で、囲炉裏の傍に座るのが好きでした。尤も、豆入りの餅を焼いてもらうのが楽しみだったんですが。
火そのものは、住んでいたアパートが丸焼けになり、その時の記憶がトラウマになって、…。

2014/07/06 (Sun) 18:37

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