三春町~田村市~小野町~いわき市(4)
小野町は、小野小町の生誕伝説がある町だが、ご存じだろうか。
時は平安朝初期、七里ヶ沢といわれたこの一帯に、公家の血を引く小野篁が救民撫育のためにやって来た。都の教養人であった篁は、この地を「小野六郷」と称して治め、産業や文化の礎を築くのに懸命の日々を送っていた。ちょうどその頃、篁の荘園に仕える一人の娘がいた。愛子(めずらこ・珍敷御前)というその娘は息をのむほどに美しかった。篁と愛子はたがいに文を交し合う仲となり、そして結ばれた。間もなく玉のように愛らしい姫が生まれた。二人は姫を比古姫と名付け、たいそう大事に育てた。やがて比古姫が六歳になったある春の日、篁は妻愛子をこの地に残し、姫を連れ都へ上がっていったのだった。この比古姫こそ後の小野小町である。
とするのがわがまちの説です。残念なことに比古姫が生まれ育ったことを示す記録は残されておりません。しかし現在でも、小野篁を祭神とする矢大神社が人々の尊崇を集めていること、また、夏の風物詩「たかむら踊り」が広く親しまれていること、さらには、京に上がる比古姫の美しさに魅せられ振り返ったという片葉葦が山里に残されていることなど、やはりこの町は小野氏に深い縁を持つ土地柄。そして『小野小町生誕の地』というロマンが生きる土地でもあるのです。
諏訪神社(1)
旧社格は郷社。境内の掲示板に記されている『其の後本社を造営した』というのがどのくらいの後なのか不明だが、いずれにせよかなりの歴史を誇る神社のようだ。
参道





水芭蕉と座禅草
参道の中程に浅い小さな池があり、そこに水芭蕉と座禅草とが咲いていた。
前回は水が涸れていたが、今回は水がたっぷりあり水芭蕉も生き生きとした感じだった。


座禅草は、兎に角強烈なにおいだった。



翁スギ媼スギ
滝桜にも勝る古木だ。元気なものだ。
社殿に向かう石段の上り口に2本のスギの巨木が姿を現す。樹齢千二百年を誇る大きな杉。仲睦まじい夫婦のように寄り添って、天高くそびえ立つ巨樹は、類例があまりない。(国指定天然記念物)
奈良時代の宝亀11(780)年、東夷征伐祈願のため、この地に立ち寄った右大臣藤原継縄(つぐただ)が2本のスギを植えたと伝えられ、植樹には勿来の関から持参した白砂がまかれたとされる。古社寺調(県神社庁文書)には「宝亀杉」と記されている。
翁スギは樹高48.5メートル、幹回り9.2メートル 媼スギは樹高47.8メートル、幹回り9.5メートル




