京都小旅行(5)
私見だが、東福寺が宗教活動上で一番重視している一角だと思う。
禅堂…重要文化財 南北朝
おそらく東福寺としては最重要の建物として位置づけている建物だろう。
1347(貞和3)年再建。別称、僧堂、選佛場ともいう座禅専修の道場です。中世期より現存する最大最古の禅堂で、桁行七間、梁間四間、単層、裳階(もこし)付切妻造。鎌倉風の花頭窓と格子窓、弓形の木を並べた波欄間、鏡天井。身舎(もや)中央には二重虹梁(こうりょう)と大瓶束(だいへいづか;下の細まった円い短柱)。その豪壮な姿に、往時の隆盛をしのばれます。
掲げられている扁額「選佛場」は宋国径山万寿寺(きんざんまんじゅじ)の無準師範の筆です。明治火災後、仮本堂とした改造がみられます。



東福寺殿鐘楼…京都府指定文化財 室町後期
東福寺には鐘楼が2つ存在し、西側がこの鐘楼、東側には寛文11(1672)年に建立された東福寺大鐘楼がある。いずれも京都府指定文化財。
東福寺殿鐘楼に吊り下げられていた重文の銅鐘は収蔵庫に収納されているようだ。代わりの鐘が下げられているのか否かは確認できなかった。
禅堂の北、経蔵前に位置する西の鐘楼です。
この中の銅鐘(重文)は鐘身1.4m、口縁外径1m、厚さ8.5cmの大鐘で、蓮華門の撞座のすぐれた点より平安初期を下らざる鋳造とみられます。もと西寺の遺物を九条道家が求め、当寺に寄進しました(現在は収蔵庫に収納)。
手前が東福寺殿鐘楼

経蔵…京都府指定文化財 江戸
私の大好きな建物。
門、禅堂、東司などとともに旧観を残す宝形造りの瀟洒な建造物。
開山の聖一国師(円爾弁円)は宋からの帰朝の際一千余りの典籍を持ち帰り、我が国文教の興隆に多大な貢献をしました。当寺には今なお、宋代の書跡や貴重な書物が多数所蔵されています。

