円融寺
古めかしい石碑
奉大日本六十六部廻国大願成就
宝暦十四年申五月供養
武州高輪町住人…とある。1764年、甲申の年か。250年程前の石碑だ。六十六部廻国巡礼が成った感謝の印か。250年程前は品川駅前も武州に括られた街だったんだ。

仁王門越しの釈迦堂
少し腰をかがめてみると、仁王門越しに釈迦堂が見える。なかなか良い眺めだ。

仁王門(目黒区指定文化財)

参道から階段を登ると、目の前に仁王門があらわれます。仁王門は檜と欅を用いた簡素な構成ながらも、唐風に和風を取り入れ、虹梁、蟇股、懸魚などにも様々な装飾が加えられています。
建立時期ははっきり分かりませんが、永禄2年(1559年)に仁王像が作成されるのとほぼ同時期と考えられます。ただし江戸時代の寛文期(1661-1672)と永禄期(1688-1703)の間に大改修が行なわれたため、足利時代の面影はほとんど残っていないと思われます。茅葺きだった屋根は、2007年に銅葺きに改められました。
黒仁王尊(東京都指定文化財)
風防ガラスが邪魔をして、見えるもののうまく写真が撮れない。もしかしたら、風防ガラスにレンズを接触させれば、うまく撮れるかなあ?

仁王門の両脇間に安置される木造金剛力士立像は、永禄2年(1559)に鎌倉扇ヶ谷(おうぎがやつ)の権大僧都大蔵法眼によって作られました。
この仁王尊は霊験あらたかなことから江戸時代の庶民の篤い信仰をあつめ、「碑文谷仁王」「黒仁王」など呼ばれて親しまれました。江戸後期の資料によると、行楽をかねて泊りがけで参詣する人や、お堂に篭って断食して祈願する信者もあったようで、当時の繁栄ぶりがうかがえます。
釈迦堂(国指定重要文化財)



仁王門をくぐると正面に、入母屋造りのたおやかな曲線を描いく屋根をもつ釈迦堂が見えます。室町初期の建立とされ、東京都区内最古の木造建築として知られています(都内では東村山市の国宝・正福寺地蔵堂に次いで2番目)。明治44年(1911年)に国の古社寺保存法により国宝に指定され、昭和25年(1950年)に国の重要文化財に指定されました。本来の屋根は茅葺きでしたが、火災予防の見地から昭和27年(1952年)に銅葺きに改められました。しかし、唐様建築の手法に和様を取り入れた優美なすがたは今日もなお残されています。
梵鐘(国指定重要美術品)


鋳造は寛永20年(1643年)9月、作者は山城国の飯田善兵衛宗次です。高さ151センチ・口径91センチです。昭和十八年(1943年)に、国の重要美術品に指定されています。
大晦日には除夜の鐘を打つ参拝客でにぎわいます。