アオバズク
神社の境内などで見ることができるのは巣立ちまでらしく、それもトロンとしている日中の方が被写体になってくれると期待して出かけた。
何が苦手かってフクロウみみずくの飛翔シーンが最も苦手だ。ふわっと飛び出すのだが、そのあと地面すれすれに潜航するような感じで飛ぶ。鈍臭い私のファインダーからもれなく消えてしまうのだ。これを何とか撮りたくて、バードショーに通ったりしたが、一向に上達しなかった。
今ではすっかり諦めて、留まっているシーンばかりを撮っている。情けない話だ。

夜行性なのに、おめめをパッチリ開けていてくれた。おそらく、巣へのよそ者の侵入が無いように警備しているのだろう。


『如何にもトロそうな爺さんがやってきたなあ。あれでも僕たちの写真を撮るつもりだぜ。笑っちゃうなあ』『おーい、爺さん。肩で息するのがおさまってからの方が良いぜ。無理してシャッターを押すと、手振れなんてものじゃなく。全身ぶれだぜ』


-5
『暇だから、協力するぜ。はい、チーズ。どうだい、うまく撮れたかい』

『まさしく青葉の時期にやってくるミミズクだろう。だから、アオバズクなんだぜ』

『嘴が、ちょっと見には、コアラのように見えるだろ。これ、僕らのセールスポイントだぜ。ちゃんと撮ってよ。でも無理そうだなあ』


『爺さんがどこか行っている間に少し動いたぜ。今、前にいる爺さん、真面目一方で会話が無くてさ。ちょっと退屈してたんだ。歓迎するから、もう少し撮ってよ』

-10
『いけねえ、眠くなってきたぜ。これでも見張り役だからな。ちゃんとやらないと叱られるんだぜ。オタクでも同じかな???』

『う~~ん』

『う~~ん、眠気をこらえるのは、お互いにつらいよね』

『爺さんの禿げ頭見ていたら、お蔭様でバッチリ眼が覚めたよ。何だなあ。言いたくないけど爺さん本当に気の毒だね。何処とは言わないけど、おつむとか体型とか』

夏季に中華人民共和国、日本、朝鮮半島、ウスリーで繁殖し、冬季になると東南アジアへ南下し越冬する。インドやスリランカ、中華人民共和国南部、東南アジアでは周年生息する。日本では亜種アオバズクが九州以北に繁殖のため飛来(夏鳥)する。和名は青葉が芽生える季節に飛来することが由来。亜種リュウキュウアオバズクが奄美大島以南の南西諸島に周年生息(留鳥)する。
夜行性で、昼間は樹上で休む。昆虫、両生類、爬虫類、小型の鳥類、小型哺乳類などを食べる。
繁殖形態は卵生。樹洞(時には庭石の間や巣箱)に巣を作り、1回に2-5個の卵を産む。抱卵はメスのみが行い、オスは見張りをしたりメスに獲物を運んだりする。抱卵期間は約25日、巣立ちまでの日数は約28日。雛は巣立ち後、徐々に営巣木から周辺の林へ移動する。