江戸東京たてもの園(16) 2013/01/26 09:09追記
港区西麻布に1952年(昭和27)に建てられた邸宅です。
客間と食堂部分は、1897年(明治30)頃京都に建てられ、戦後港区に移築されたものです。また、蔵は1874年(明治7)の建築当初の土蔵に復元しました。
[港区西麻布三丁目/主屋:1952年(昭和27)土蔵:1874年(明治7)]
あの三井財閥当主の邸宅であるから、もっと広壮な邸宅だと思っていた。その予想はあっさり覆させられた。元々の今井町(現在の港区六本木2丁目)邸ははるかに広壮な邸宅だったが、昭和20年5月の空襲で蔵の一部を除いて焼失。戦後、昭和27年に新たに麻布笄町(現在の港区西麻布3丁目)に西麻布邸を再建したものだそうだ。その折に大幅にダウンサイジングしたわけだ。以前の十分の一にも満たないとのことだそうだ。とはいえ、京都油小路・神奈川大磯・世田谷用賀・今井町の三井家に関連する施設から建築部材・石材・植物など、めぼしいものを掻き集めたようで、内部の豪華さは眼を見張るものがある。
やはり三井の当主の邸宅だけのことはある。
今回、取り上げているキッチンや配膳室などの北側のスペースは、その他に浴室・洗濯室、女中室などのサービス部分があり、コンクリートブロックによる組石造りだそうだ。なお、次回取り上げる南側スペースは、居室を木造の和風建築としているが、生活は畳の上に絨毯を敷き、机・椅子を置く和洋折衷だそうだ。
入り口付近
門柱にはこの屋敷にふさわしい門扉がしつらえてあったと思われる。どんなものだったのだろうか。







あたたかな光で迎えてくれる玄関照明。フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックの作品だそうだ。

洋式の瀟洒なトイレ

キッチン
使いやすい本格的なものだ




木瓜形窓

蔵に繋がる防火扉
蔵の内部は撮影禁止になっている


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