江戸東京たてもの園(15) - 江戸東京たてもの園_2012_December
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江戸東京たてもの園(15)

E1天明家(農家)(てんみょうけ)[旧武蔵野郷土館収集]
江戸時代、鵜(う)ノ木村(現在の大田区内)で名主役を勤めた旧家です。
正面に千鳥破風(ちどりはふ)をもつ主屋・長屋門・枯山水庭園などに高い格式がうかがえます。
[大田区鵜ノ木一丁目/江戸時代後期]

相当に裕福な名主だったことは間違いがないようで、長屋門なども相当に立派なものだ。そういう建物であることと、位置的な事情からだろうが、大名が近くの多摩川で川遊びをしたときに本陣としての利用もあったようだ。本陣に供されたのは屋敷の西側部分(主屋完成後に増築された書院造りの建物)のようで、それなりのお方を迎えるためのしつらいになっている。と言っても少し上等に拵えてある程度だが。
天明家は屋号を「へっついさま」といったそうだ。へっついとはかまどのことだが、そんなものどこにでもあったと思うが、どうしてそういう屋号が付いたのだろうか。
建物の規模は、建築面積248.27平米の木造平家建て。無茶苦茶広大なお屋敷というわけではない。

長屋門
主屋から見た様子
天明家長屋門_1
外側から見た様子
天明家長屋門_2
庭に回るための潜戸…通用口のような働きをしていた?
天明家長屋門_3
主屋
千鳥破風が格式を物語る
千鳥破風:屋根の斜面の中程に装飾あるいは換気・採光のために設ける三角形の破風。嵐でも雨漏りがしないような工夫がなされていたとのこと。
天明家主屋_1
天明家主屋_2
天明家が『へっつい様』と呼ばれていた名残か
天明家主屋_3
天明家主屋_4
天明家主屋_5
天明家主屋_6
天明家主屋_7
天明家主屋_8
天明家主屋_9
天明家主屋_10
天明家主屋_11
天明家主屋_12

この辺にレンゲショウマが咲くという
天明家の庭
シモバシラ
シモバシラというシソ科の多年草が生えていたところには、冬になると氷柱ができる。シモバシラの茎は冬になると枯れてしまうが、根はその後長い間活動を続けるため、枯れた茎の道管に水が吸い上げられ続ける。そして、外気温が氷点下になると、道管内の水が凍って、茎から氷柱ができる。この現象は、地中の根が凍るまで続く。
天明家裏庭のシモバシラ_1
天明家裏庭のシモバシラ_2
天明家裏庭のシモバシラ_3

詳しい解説がなされているHPへjump

「天明」というと、江戸時代中期の年号で天明の大飢饉でも有名なため、「てんめい」と読んでしまうが、「天明」家は「てんめい」ではなく「てんみょう」である。
というのも、名字の由来は年号ではなく、下野国の日光例幣使街道にあった天明宿(栃木県佐野市天明町)という地名に由来しているからだ。
天明宿は天明鍛冶といわれる鋳物師で有名で、平安時代に河内国から移住してきたのが祖と伝える。豊臣秀頼が方広寺の鐘を鋳造した際にも、天明鍛冶39人が上洛して制作にあたったという。
この一族が鵜の木村(大田区)に移り住んだのが天明家の祖で、江戸時代には鵜の木村の名主をつとめた。現在でも大田区鵜の木付近には、「天明」という珍しい名字が集中している。
AzTak
Posted by AzTak
投稿 2013年01月25日
最終更新 -0001年11月30日

14 Comments

There are no comments yet.

Mika  

千鳥破風ですか・・・興味深いです。
昔の家は、思いもよらないような工夫がなされていますね。
「へっつい様」と呼ばれていた割には竈が小さいような・・・(^^;
これだけのお屋敷なら、使用人も大勢いただろうし
この竈だけでのご飯の仕度は大変そうですよね(笑)
でも、どうして「へっつい様」なんでしょうね・・・気になります。

2013/01/25 (Fri) 04:15

makira  

おはようございます!

AzTakさん おはようございます!

郷土と言うのは薩摩などの郷士と違って
庄屋とか名主のような家なんでしょうね!
本陣に供されたのであれば、地域で一番の
家柄のはずですね!
無茶苦茶広大なお屋敷というわけではないと書かれていますが
写真で見る限り、立派な大きな家だと思います。
「へっついさま」の由来はよく分かりませんが
飢饉か何かの時に、この家が近隣の農家に飯の施しなどを
していた所為かも知れませんね!
霜柱が見れたなんて、朝早くからの撮影お疲れ様でした♪
霜柱の花は一方向に咲く綺麗な花なんですよ。

2013/01/25 (Fri) 06:57

AzTak  

Re: タイトルなし

Mikaさん、お早うございます。

> 千鳥破風ですか・・・興味深いです。

弓をひっくり返したような唐破風はいたるところで見られますが、千鳥破風はどうなんでしょうかね。
少なくとも農家にこういうものがしつらえてあったのにはびっくりしました。

> 昔の家は、思いもよらないような工夫がなされていますね。

そうなんでしょうが、千鳥破風までというのはなかなか無かったことでしょう。

> 「へっつい様」と呼ばれていた割には竈が小さいような・・・(^^;
> これだけのお屋敷なら、使用人も大勢いただろうし
> この竈だけでのご飯の仕度は大変そうですよね(笑)
> でも、どうして「へっつい様」なんでしょうね・・・気になります。

他の茅葺き屋根の家屋ではかまどの口が2つ以上ありました。多分母屋ではないところにもかまどがあったのかもしれませんね。いま出回っている情報からは、それ以上は辿ることができませんでした。

昨日は嵐のような一日で、ボリビアから一時帰国中の神父様に自宅でのミサをお願いしたりして、頭がぼーっとしたままです。

2013/01/25 (Fri) 07:37

AzTak  

Re: おはようございます!

> AzTakさん おはようございます!

makiraさん、お早うございます。

> 郷土と言うのは薩摩などの郷士と違って
> 庄屋とか名主のような家なんでしょうね!
> 本陣に供されたのであれば、地域で一番の
> 家柄のはずですね!

大田区の鵜の木にあったそうで、跡地は環状8号沿いの普通の民家に変わっているようです。
宿場でもないのに、川遊びの際に使わせろってちょっと迷惑な話だったかもしれませんね。でも、それに応じられる程の庄屋様だったようです。
この辺のところは不在地主ではなかったんですね。だから資産が残ったんでしょう。

> 無茶苦茶広大なお屋敷というわけではないと書かれていますが
> 写真で見る限り、立派な大きな家だと思います。

我々の感覚からすれば間違いなく大きなお屋敷です。でも、本陣に供した部分は増築だったようで、普段は使わなかっただろうと思います。そうすると、残されたスペースはそれほどない感じです。
奉公人などはどこに寝泊まりしたのか、へっついは他には無かったのか、よくわかりません。

> 「へっついさま」の由来はよく分かりませんが
> 飢饉か何かの時に、この家が近隣の農家に飯の施しなどを
> していた所為かも知れませんね!

そうなんでしょうね。それを可能にしただけのへっついは残しておいてくれると良かったのに。

> 霜柱が見れたなんて、朝早くからの撮影お疲れ様でした♪
> 霜柱の花は一方向に咲く綺麗な花なんですよ。

この撮影はお昼ごろになってしまいました。何せ、手前の看板建築のボランティアさんの説明が懇切丁寧だったもので。23日に東京駅見学の流れで皇居のシモバシラも見て来ましたが、枯れた茎だけで凍りついてはいませんでした。朝しか見られない旨の表記があると、居合わせたよそのおじさんが喋っていました。
本物の花を見てみたいものです。

2013/01/25 (Fri) 08:28

dさん  

こんにちは

大きな古民家ですねえ
>248.27平米≒約75坪ですから、確かに無茶苦茶大きなお屋敷ではないですが、猫のひたい程の我が家と比べたら無茶苦茶大きなお屋敷ですよ”笑”

私の地方で、訪れた江戸時代庄屋の屋敷では、夏でも囲炉裏に火を焚いていました。・・何でも外注から茅葺きの屋根を守るためだとか、・・この古民家もそうなんでしょうかねえ

2013/01/25 (Fri) 08:48

ぽん太  

いいですね〜茅葺屋根
しかも囲炉裏まであるとは
もう写欲が上がってたまりません(^_^;)

2013/01/25 (Fri) 09:01

AzTak  

Re: タイトルなし

ぽん太さん、お早うございます。

> いいですね〜茅葺屋根
> しかも囲炉裏まであるとは
> もう写欲が上がってたまりません(^_^;)

いまは、どの地域でも維持管理費が高くつくので、茅葺屋根の家屋は減ってきていますよね。本当に残念なことです。
私も下手な写真を撮りまくりましたが、使えない写真ばかり。
タヌキはどうしてもいぶされる運命にあるんですかね。強力に囲炉裏に座るように勧められました。囲炉裏の傍に座って、揺らめく炎を見ていたら、子供の頃を思い出してしまいました。その頃は、糞ガキではあっても悪餓鬼では無かったんですが。

2013/01/25 (Fri) 10:30

AzTak  

Re: こんにちは

dさん様、お早うございます。

> 大きな古民家ですねえ
> >248.27平米≒約75坪ですから、確かに無茶苦茶大きなお屋敷ではないですが、猫のひたい程の我が家と比べたら無茶苦茶大きなお屋敷ですよ”笑”

同感です。広さもさることながら、天井が高くて、夏も冷房なしでいけそうな感じでした。でも、庭が広くないと、周囲から覗かれっぱなしになってしまいますね。やっぱり、都会では難しそうです。

> 私の地方で、訪れた江戸時代庄屋の屋敷では、夏でも囲炉裏に火を焚いていました。・・何でも害虫から茅葺きの屋根を守るためだとか、・・この古民家もそうなんでしょうかねえ

燻すことにより、防虫と防腐の効果が得られるようです。だから、夏でも囲炉裏の日はとぎらせないようにしていると思います。そういうことなんで、木炭ではなく薪がくべられるはずです。
田舎の親戚の家に行ったときは楽しみでした。子供の頃はあまり好きではありませんでしたが、完全ではなくとも、ついでにちょっとした燻製もできちゃいますね。

2013/01/25 (Fri) 10:33

花咲かじいさん  

不思議な現象

シモバシラ 不思議な現象ですね。
一度実際に見てみたいです。
早朝でないと見れないんですかね。

2013/01/25 (Fri) 19:38

AzTak  

Re: 不思議な現象

花咲かじいさん様、こんばんは。

> シモバシラ 不思議な現象ですね。
> 一度実際に見てみたいです。
> 早朝でないと見れないんですかね。

本当にびっくりしました。結構大きく育つものですね。
江戸東京たてもの園は小金井市桜町にあります。そんなに寒くも暖かくもないところのように思いますが、お昼ごろの撮影でした。『朝はもっと凄かったたんだ』とのことでしたが、十分凄かったです。1ヶ月以上前でした。今の時期だったら、もっと凄いことになっているのではないかと思います。

2013/01/25 (Fri) 20:09

いどきち  

こんばんは

この長い門は金持ちの象徴。
この建物も記憶に残っています。
よくお調べになっているのは素晴らしいことです。

2013/01/25 (Fri) 20:38

AzTak  

Re: こんばんは

いどきちさん、こんばんは。

> この長い門は金持ちの象徴。

実に立派な長屋門ですね。

> この建物も記憶に残っています。

行けば、忘れられないインパクトを与える建物ですよね。

> よくお調べになっているのは素晴らしいことです。

ありがとうございます。しかし、何故へっつい様と呼ばれたのかなど、わからないことだらけです。もう少し調べてからと思っていたのですが、…

2013/01/25 (Fri) 21:12

kanageohis1964  

こんにちは。

全体的に凄く保存状態が良いですね。囲炉裏に火を入れているのはボランティアの方なんでしょうか。こういう建物は囲炉裏の火で燻されることで虫よけになって結果的に長持ちするんだそうですが、ここも囲炉裏の火を絶やさない様にしているんでしょうかね。

2013/01/25 (Fri) 22:12

AzTak  

Re: タイトルなし

> こんにちは。

kanageohis1964さん、こんばんは。

> 全体的に凄く保存状態が良いですね。囲炉裏に火を入れているのはボランティアの方なんでしょうか。こういう建物は囲炉裏の火で燻されることで虫よけになって結果的に長持ちするんだそうですが、ここも囲炉裏の火を絶やさない様にしているんでしょうかね。

まず、茅葺の屋根の葺き替えですが、予算がなく、係のボランティアが心配するくらい間遠な間隔をあけて行なっているそうです。江戸東京たてもの園の葺き替えは会津の職人チームが請け負っているそうです。畳もかなりささくれだった感じが出てきてしまっていて、もう少し、都もお金を支出しても良いのではと思いました。
そういう粗も目立ちますが、全般的にはかなり保存状態はよさそうです。

そうですね。囲炉裏の煙を建物全体に行き渡らせるようにしていました。年中火を絶やさないようにして、防虫防腐の効果を維持させているようです。

PS.境川やら武相国境やらが出てきて面白いテーマになっていますね。実は家内に不幸があり明日も斎場に行くなど、あと1週間ほどはじっくりと読む時間がとれそうもありません。どんな記事が載っているのかチラ見程度のアクセスしか出来ません。後日、ゆっくり読ませて頂きます。

2013/01/25 (Fri) 22:58

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