江戸東京たてもの園(9) - 江戸東京たてもの園_2012_December
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江戸東京たてもの園(9)

E6武居三省堂(文具店)(たけいさんしょうどう)
看板建築が銅板加工のファザード(建物の正面をなす外観)を持っているものだけを指すものではないと前回記述したが、このタイル貼りの建物も看板建築のバリエーションの内だ。
屋根はこの写真ではわかりにくいが、勾配が上部はゆるく、軒に近い方で急に折れ曲がった屋根(マンサード屋根)が特徴だとのこと。窓を設けて、屋根裏部屋として用いられるようだ。当時は3階建は認められていなかったようで、監督官庁だった警視庁が、お目こぼしの便法として教えていたとのこと。
店の名前は、曾子曰 吾日三省吾身 …(曾子曰く、吾(われ)日に三たび吾が身を省(かえり)みる)に由来するらしい。三省堂書店とはまったく別の経営。
店内のたくさんの引き出しは、千と千尋の神隠しの中に出てくる「かまじい」の部屋のモデルになったのだそうだ。
武居三省堂_1
武居三省堂_2
武居三省堂_3
明治初期に創業した文具店です。当初は書道用品の卸をしていましたが、後に小売店に変わりました。
建物は震災後に建てられた〈看板建築〉で前面がタイル貼りになっていて屋根の形にも特徴があります。
[千代田区神田須田町一丁目/1927年(昭和2)]


E7花市生花店(はないちせいかてん)
平成の初めまで店舗として使われていたようだ。生花店という業態が幸いしたのか、今でもそれほど違和感なく使える感じだ。
写真でははっきりしないが、ここの看板(看板建築のことではなく看板そのもの)は、上部にFlolist、下部にハナ(左から読むとナハ)と書かれている。ちょっと、そこだけが奇異に感じるところかもしれない。
花市生花店_1
花市生花店_2
昭和初期に建てられた〈看板建築〉の花屋です。建物の前面は花屋らしくデザインされています。店内は昭和30年代の花屋を再現しています。
[千代田区神田淡路町一丁目/1927年(昭和2)]
AzTak
Posted by AzTak
投稿 2013年01月06日
最終更新 -0001年11月30日

2 Comments

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kozoh55  

三省堂ですね

お晩です、AzTakさん。
私はこの建物が今回見た中で一番のお気に入りです。
そもそも本でこの写真(三省堂とお花屋さん)を見て、たてもの園に行こうと決めたものですから。
文具屋と一言で言っても、当時は本当に奥深い知識を持って
接客していたんでしょうね、この引き出しの多さが
全てを物語っているような気がしました。
またお邪魔します。

2013/01/06 (Sun) 01:11

AzTak  

Re: 三省堂ですね

> お晩です、AzTakさん。

kozoh55さん、お早うございます。

> 私はこの建物が今回見た中で一番のお気に入りです。
> そもそも本でこの写真(三省堂とお花屋さん)を見て、たてもの園に行こうと決めたものですから。
> 文具屋と一言で言っても、当時は本当に奥深い知識を持って
> 接客していたんでしょうね、この引き出しの多さが
> 全てを物語っているような気がしました。

そうですね。建物は人それぞれ好みがあるんでしょうが、武居三省堂は如何にも専門店らしい佇まいですね。一つ一つの棚に思いを込めて収納し、いつでも取り出せるようにしてあったんでしょう。
今だと専門が細分化していて、デリバリする人はそれのみ、接客する人はそれのみで、自分で得心のいくまで使ってみてそれに応じて棚に収納し自信を持ってお勧めするというような、隅から隅まで通じている人は少ない状況なのかも知れません。

> またお邪魔します。

明日から少し別テーマをはさみます。

2013/01/06 (Sun) 09:21

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