等々力渓谷~九品仏浄真寺(8)
決勝トーナメント初戦は20日、南アフリカと対戦する。前回大会の再現がなるだろうか。
九品仏浄真寺(5)
本堂
最後に本堂をじっくり拝見する。じっくりと御本尊を拝見するのは、私の密かな楽しみだ。
本堂と石庭




堂内に入る
大数珠から各種の仏像までにぎやかなことだ

木造珂碩上人坐像…東京都指定文化財
扁額には『松露斎』と書かれてある。開山の珂碩上人の遷化法名が「大蓮社超譽珂碩松露大和尚」ということから来ているのだろう。42歳のときの自分を彫ったものだそうだ。いずれ、九品仏と御本尊と併せて、一挙に国指定の重要文化財指定となる日が来るのかなあ。


残念ながらうまく撮れなかった。が、私の備忘として取り上げる。

その他の像

木造釈迦如来坐像…東京都指定文化財
言うまでもない御本尊だ。丈六の釈迦如来。つまり、大仏ということになる。開山珂碩上人手づから彫刻したものだ。見た感じは坐像でも丈六の大きさのようだ。螺髪は、こちらも九品仏と同様に青い色だ。





仏像の背丈(丈量)の一基準。仏は身長が1丈6尺(約4.85m)あるといわれることから仏像も丈六を基準とし,その5倍,10倍,また2分の1などに造像された。坐像の場合の丈六像は半分の約8尺(2.43m),半丈六像は約8尺の立像。
霊瑞師
扁額には『霊瑞』と書かれてある。日野霊瑞(れいずい)師は、知恩院七七世、増上寺七一世、同七三世。幕末から明治にかけて生きた人物で、浄土宗が苦しいときの立て直しに功績のあった人物のようだ。羨ましいほどの毛髪量だ。


五劫(ごこう)思惟(しゆい)の阿弥陀仏は、通常の阿弥陀仏と違い頭髪(螺髪らほつ)がかぶさるような非常に大きな髪型が特徴です。
「無量寿経」によりますと、阿弥陀仏が法蔵菩薩の時、もろもろの衆生を救わんと五劫の間ただひたすら思惟をこらし四十八願をたて、修行をされ阿弥陀仏となられたとあり、五劫思惟された時のお姿をあらわしたものです。
五劫とは時の長さで一劫が五つということです。
一劫とは「四十里立方(約160km)の大岩に天女が三年(百年という説もある)に一度舞い降りて羽衣で撫で、その岩が無くなるまでの長い時間」のことで、五劫はさらにその5倍ということになります。
そのような気の遠くなるような長い時間、思惟をこらし修行をされた結果、髪の毛が伸びて渦高く螺髪を積み重ねた頭となられた様子を表したのが五劫思惟阿弥陀仏で、全国でも16体ほどしかみられないという珍しいお姿です。
落語の「寿限無寿限無、五劫のすり切れ」はここからきています。
宗祖法然上人像

心字の池

以上で、断続的に取り上げてきた『等々力渓谷~九品仏浄真寺』シリーズは終了です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。