等々力渓谷~九品仏浄真寺(7)
極楽往生の9つの階層を表した阿弥陀如来像があるから九品仏と呼ばれる。たとえ下品下生であっても極楽往生なのだろう。その前に閻魔大王のお眼鏡にかなわないとどうなるのかなあ。だんだん心配になってきた。
九体の阿弥陀如来像は、東京都指定文化財で、寛文7年(1667年)完成の珂碩上人の作品。水害で阿弥陀如来像が傷むのを懸念したのだろう。働きかけが実り、延宝6年(1678年)、江戸幕府4代将軍徳川家綱から奥沢城跡のこの地を賜り、浄真寺を創建し、九体の阿弥陀如来像もこの地に移した。352年前の作品である。
上品堂
上品上生、上品中生、上品下生の阿弥陀如来像が安置されている。東京都の無形民俗文化財の「お面かぶり」と呼ばれる仏教行事がある。正式には「二十五菩薩来迎会」といい、3年に一度、本堂とこの上品堂の間に渡された橋を菩薩の面をかぶった僧侶らが渡る。菩薩の来迎の様子を表すものだという。
上品上生、上品中生、上品下生の阿弥陀如来像



上品堂の建屋


本堂と上品堂の間に渡された橋の一部。観客は地面から見上げる形になる。

上品堂から見た本堂

中品堂
中品上生、中品中生、中品下生の阿弥陀如来像が安置されている。
中品上生、中品中生、中品下生の阿弥陀如来像。この内、中品下生の阿弥陀如来像は現在修復中。



中品堂の建屋

下品堂
下品上生、下品中生、下品下生の阿弥陀如来像が安置されている。
下品上生、下品中生、下品下生の阿弥陀如来像



下品堂の建屋

広い境内の本堂の対面に3つの阿弥陀堂があり、それぞれに3体合計9体のそれぞれ印相の異なった阿弥陀如来像が安置されている。この9体はそれぞれ、上品上生、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生、下品下生という、浄土教における極楽往生の9つの階層を表しており、これらをあわせて九品(あるいは九品往生)という。この九品の仏から、浄真寺は通称「九品仏」と呼ばれている。