日本民家園(9) - 日本民家園_2019_Mar
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日本民家園(9)

作田家住宅…国指定重要文化財
作田家は佐久田村(千葉県山武郡九十九里町作田)の名主で、同時に鰯漁の網元を勤めた有力な家柄だった。さくだ村のさくだ家。家柄がわかると言えよう。
少子化や核家族化が進んで大きな家屋は不要になり、税金が安くなることを狙って『減築』を行う事例が稀ではない昨今。その昔、イワシ漁が活況を呈し、『増築』を行った家屋があった。江戸時代の増築とはどんなものか見ておきたい。同じ棟で広げるのではなく、別棟をうまく接するような形でつなげてある分棟型の家屋だった。
外観
別棟同士がくっついた感じになっているのがおわかりいただけるだろう。茅葺屋根で軒を並べる場合、雨水の処理をどうしたのかが気になるところだろう。
外観_1
外観_2
以下の設えは、あくまでも来客用。家族は土間で行水だったのではなかろうか。便所は外かな。
外観_3
外観_4

建物内部
雨樋
一番工夫したところだろう。境目のところに大きな栗の木を2つに割って作った雨樋。これが括り付けられてあった。と日記には書いておこうということらしい。というのも、移築直線には分棟型ではなく、普通の直屋に改造されていたからで、次回以降に取り上げる予定の太田家住宅のそれと同じ仕組みとしてある。つまり、推定部分なのだ。
建物内部_1
増築部分
建物内部_2
建物内部_3
元からあった部分
なかなかしっかりつくってある印象を受けた
建物内部_4
建物内部_5
芸術的な梁の組み方だ。どうやってこの組み方にたどり着いたのだろうか?
建物内部_6
玄関ほかはかなりお金をかけてある感じに見えた
建物内部_7

国指定重要文化財
旧所在地:千葉県山武郡九十九里町作田
建物区分:漁家(網元の家)、分棟型
構造形式:主屋=寄棟造、茅葺、桁行13.0m、梁行11.1m、風呂場及び便所付属 土間=寄棟造、妻入、茅葺、桁行11.5m、梁行5.6m
建築年代:主屋=17世紀後期、土間=18世紀後期
イワシの地引網漁で栄えた網元の家
この建物はイワシ漁で栄えた九十九里にありました。漁具小屋は海岸近くにあり、この家そのものは内陸に立地していたため、漁村の家の雰囲気はありません。 外観は二棟が軒を接しているように見えます。これを分棟型(ぶんとうがた)と呼び、クリの木の半割丸太(はんわりまるた)をくり抜いた大きな雨樋(あまどい)が二つの屋根をつないでいます。居室部は囲炉裏(いろり)のある広いカミがまず目に入ります。床の間の前身である押板(おしいた)や仏壇(ぶつだん)を備え、網元(あみもと)としての生活に使われた格式のある部屋です。その上手は畳敷(たたみじき)の部屋がつづき、座敷としては最高の扱いとなっています。背後には便所と風呂が付属し、座敷と同様に上層民家の接客部分を伝える貴重な建築です。
見どころポイント!
居間の梁は松の曲材を巧みに組み合わせており、見事な造形美を見せています。
屋根が二つあり、間には大きな丸太を2つに割って作った雨樋があります。
AzTak
Posted by AzTak
投稿 2019年04月20日
最終更新 2019年04月20日

12 Comments

There are no comments yet.

りおん  

しっかりとした建物なんですね。
増築部分も違和感なくできていて
すごい技術なんだなあと思いました。
トイレとお風呂が、別棟にあるような感じで
なんか好きですこういうの。
実際に使ってみると、ちょっと怖いかもしれないけど^^;

梁、芸術的ですね~@@

2019/04/20 (Sat) 11:59

のんびり熊  

こんにちは
不揃いの木を組む、宮大工棟梁小川三夫さんの言葉。
ナカナカ出来る事ではありません。
作田家住宅は素晴らしいです。
よくぞ工夫したもんだと思います。

2019/04/20 (Sat) 12:51

x都人x  

曲がった癖の強い梁を組み合わせて
素晴らしく綺麗で~

芸術ですね^^

2019/04/20 (Sat) 14:59

ichan  

こんばんは

これだけ曲がった材木を梁として組んだ
大工さんの力量は相当のものだと思います。
現代の、ほぼ組み立て工と化した大工さん
には無理なお仕事と感じます。
この曲線美は美しいですね。

2019/04/20 (Sat) 21:39
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

りおんさん、こんばんは。

> しっかりとした建物なんですね。
> 増築部分も違和感なくできていて
> すごい技術なんだなあと思いました。

今だと絶対にやらない分棟型があったんですね。だんだん家が狭く小さくなる時代です。江戸時代はどうだったのか知りませんが、なにか勢いを感じますね。

> トイレとお風呂が、別棟にあるような感じで
> なんか好きですこういうの。
> 実際に使ってみると、ちょっと怖いかもしれないけど^^;

あれは来客用です。自分たちのトイレは外で、風呂は土間で行水だったんでしょうかね。

> 梁、芸術的ですね~@@

あれは、本当に見事です。三次元のイメージができるなんて、すごい才能ですよね。

2019/04/20 (Sat) 22:06
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

> こんにちは

のんびり熊さん、こんばんは。

> 不揃いの木を組む、宮大工棟梁小川三夫さんの言葉。
> ナカナカ出来る事ではありません。
> 作田家住宅は素晴らしいです。
> よくぞ工夫したもんだと思います。

う~~ん、不器用の極みの私には、信じられない世界です。器用なんてものジャイ至りません。一種の稀有な才能があったのでしょう。

2019/04/20 (Sat) 22:08
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

x都人xさん、こんばんは。

> 曲がった癖の強い梁を組み合わせて
> 素晴らしく綺麗で~
>
> 芸術ですね^^

チョウナ梁など簡単に思えてしまうほど、非常に複雑な組み立て方ですね。キレイだし、見事だし、言うことありません。
ただ、ポカーンと口を開けて見入るばかりでした。

2019/04/20 (Sat) 22:13
AzTak

AzTak  

Re: こんばんは

ichanさん、こんばんは。

> これだけ曲がった材木を梁として組んだ
> 大工さんの力量は相当のものだと思います。

そうですねえ。よほどの才覚がないと組み立てられる代物ではなさそうに思います。

> 現代の、ほぼ組み立て工と化した大工さん
> には無理なお仕事と感じます。

そうなんでしょうね。いまは、誰でも簡単に組み立てるためにはどうしたらよいか。それを考える時代ですから、こういう応用の更に応用レベルは、…。

> この曲線美は美しいですね。

そうですね。異議ありません。

2019/04/20 (Sat) 22:17

鏡花水月  

AzTak様、こんばんは!
『芸術的な梁の組み方』御意!!!
都内の地下鉄のように見えました。
このあたりは全然記憶にありません。
ノーマークでした。

川崎民家園に行って、実はブルジョワ以上の和館が好きらしい。
多少大きくても庶民の家は便利な時代に生きている自分に突きつけるようなものが多くて、数件ならいいけれどこれだけたくさんの民家を楽しく見るにはしんどいかな…と言うのが本音の感想でした。
鑑賞眼がまだまだだなと思います。

2019/04/20 (Sat) 22:27
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

> AzTak様、こんばんは!

鏡花水月さん、こんばんは。

> 『芸術的な梁の組み方』御意!!!
> 都内の地下鉄のように見えました。
> このあたりは全然記憶にありません。
> ノーマークでした。

このへんまでは、立派な建物なんですよね。この先、立派じゃないとは言いませんが、竹簀にござを敷いただけの床とか、土の上にござを敷いただけの床とかが出てきます。あまりの凄さに、言葉を失してしまう方も少なくないようです。

> 川崎民家園に行って、実はブルジョワ以上の和館が好きらしい。
> 多少大きくても庶民の家は便利な時代に生きている自分に突きつけるようなものが多くて、数件ならいいけれどこれだけたくさんの民家を楽しく見るにはしんどいかな…と言うのが本音の感想でした。
> 鑑賞眼がまだまだだなと思います。

自分でも何故リピーターをしているのか、不思議でなりません。二度三度と行き、知らなかったところがわかりだすと、なかなかその沼からハイ出せなくなるかも。

2019/04/20 (Sat) 23:05

makira  

こんばんは!

AzTakさん、こんばんは!
しっかりとした造りの家ですね。
網元の家ですから相当な家だったのでしょう!
内陸にあったとのことですから、漁業臭さはありませんね♪
結構な客人があったようですね。

2019/04/20 (Sat) 23:50
AzTak

AzTak  

Re: こんばんは!

> AzTakさん、こんばんは!

makiraさん、こんばんは。

> しっかりとした造りの家ですね。
> 網元の家ですから相当な家だったのでしょう!

イワシは生でも食べたのでしょうが、江戸時代は、茹でて干して肥料にしたようです。それを浦賀に持ってきて、浦賀から全国に販売していたようなんです。

> 内陸にあったとのことですから、漁業臭さはありませんね♪
> 結構な客人があったようですね。

内陸にあったといっても精々100mくらい海岸線から奥まっっていただけだと思います。金のあるところには、いろいろな人が大した用もないのに訪ねてきたのでしょうね。

2019/04/21 (Sun) 20:56

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