日本民家園(8) - 日本民家園_2019_Mar
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日本民家園(8)

野原家住宅
この家屋があった南砺市利賀村利賀は現在では芸術の村として全国に名を知られているところだ。でもその昔は交通の便が極めて悪く、よそ者には容易に近づけないムラだったのではなかろうか。野原家住宅は、庄川支流域の利賀谷にあった。深い谷を渡るための人力ロープウェーである渡し籠を自力で操り、アクセスするしかなかったのだから。
渡し籠
吊橋でも野猿でもまだマシと思うくらい素朴な恐怖心を募らせる乗り物だ。私が此処に住んでいたら、外界に出ることができなかったと思う。
渡し籠_1
渡し籠_2
渡し籠_3
渡し籠_4
外観
北側
『妻入』ではなく歴とした『平入』の建物だが、大戸口ではなく、あえて北側に小さな出入り口がある。外便所に通じる戸口だそうだ。大戸口を開けると寒気が一気に流れ込むからこんなふうにしたのだろうか?
北側
南側
こちら側の妻には、出入り口はなく、明り取りの窓くらいしかない。仏間がある分だけ、ちょっと出張っている。ちょっと変わった体裁の家屋に感じた。
南側
家屋内部
間取り
間取り
ぶつま
この分だけ南側にはみ出している。それだけ重要視した部分だったようだ。
ぶつま
ざしきとぶつま
どちらも畳が敷いてある。上等な間だったのだろう。
ざしきとぶつま
にわ
土間のこと。台所と作業場を兼ねた場所。かなり暗くて、撮れるか否か心配だった。
にわ_1
にわ_2
おえ
居間のことだ。その片隅に食器入れがあった。組頭の家としては、こんなものが普通かな。組頭は村方三役の一つで,名主,庄屋を補佐する役目だったそうだ。
おえ_1
2つも囲炉裏があった。かなり寒い土地だっただろうが、薪はふんだんにあったということなのだろうか。板張りの床でも寒くはなかったことだろう。「牛梁」も「チョウナ梁」も立派だ。
おえ_2
おえ_3
片隅では機織りをしていた。昔も衣装こそ違っただろうが同様のことをしていたのかもしれない。
おえ_4

神奈川県指定文化財
旧所在地:富山県南砺市利賀村利賀
建物区分:農家(組頭の家)、合掌造
構造形式:切妻造、一重三階、各面とも庇付、茅葺、桁行17.5m、梁行10.6m
建築年代:18世紀後期
迫力満点の梁がみられる合掌造の家
「越中五箇山」とは、庄川本・支流域の五つの谷(赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷)を中心とした地域の総称です。野原家は庄川支流域の利賀(とが)谷にあった合掌造で、庄川本流域の合掌造とは間取りや構造に違いがあります。
まず間取りですが、庄川本流系が四間取りを基本とするのに対して、広間型三間取りとなっています。大戸口を入ると、土間前半はウマヤ、後半は台所と作業場を兼ねたニワです。ウマヤ前方の細い通路は外便所に通じていました。オエは日常生活の中心となる場で、囲炉裏を二つ設けています。
中央の巨大な梁を「牛梁」、ここから前後に架け渡した曲がりの鋭い梁を「チョウナ梁」といいます。迫力あるその様子は合掌造民家の大きな見どころです。

AzTak
Posted by AzTak
投稿 2019年04月17日
最終更新 2019年04月17日

14 Comments

There are no comments yet.

MT  

おはようございます

何とも恐ろしい渡しのカゴですね。イラストの吊りロープも危なげで、恐怖感いっぱいです。随所に見られる信頼感のなさを見れば私も絶対にご勘弁いただきたいです。^^;

2019/04/17 (Wed) 08:03

りおん  

これに入って渡るのですか???
高所恐怖症じゃなくても、いやでしょうね~・・・
でも苦肉の策だったのでしょうね・・・
ジョニーデップの某映画を思い出しました^^;

チョウナ梁、すばらしいですね~@@
チョウナって、もともとカタカナなんでしょうか?

2019/04/17 (Wed) 10:44

x都人x  

茅葺の屋根の民家がとっても
風情があって良いですよね~

子供の頃は似たような家で、、
夏は涼しくて、、良く昼寝が
出来ました(笑

2019/04/17 (Wed) 18:26
AzTak

AzTak  

Re: おはようございます

MTさん、こんばんは。

> 何とも恐ろしい渡しのカゴですね。イラストの吊りロープも危なげで、恐怖感いっぱいです。随所に見られる信頼感のなさを見れば私も絶対にご勘弁いただきたいです。^^;

〔ΦωΦ〕フフフ…、今の信頼性の高い道具を使用している身には、何とも頼りなさ気な代物ですよね。私が昔この村に生まれたら、それこそ身の不運を嘆くしかなかったことでしょう。

2019/04/17 (Wed) 19:08
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

りおんさん、こんばんは。

> これに入って渡るのですか???
> 高所恐怖症じゃなくても、いやでしょうね~・・・
> でも苦肉の策だったのでしょうね・・・
> ジョニーデップの某映画を思い出しました^^;

この籠、かなり小さいんです。現代の女性にもかなりきつく感じるのではないでしょうか。それに落ちたら一巻の終わりの深い谷。意気地なしの私は進退窮まります。

> チョウナ梁、すばらしいですね~@@
> チョウナって、もともとカタカナなんでしょうか?

漢字で書くと 「釿」または「手斧」になります。後者の方は、今は小型の斧くらいの意味合いで使われているようです。
「釿」の方ですが、柄がこのチョウナ梁と同じような曲線だったんです。それで…。

https://hatsurist.com/about-chona/

2019/04/17 (Wed) 19:25
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

x都人xさん、こんばんは。

> 茅葺の屋根の民家がとっても
> 風情があって良いですよね~

そうですねえ。維持管理費がかさむのを無視すれば、最高かもしれません。残念ながら、無視できるほど小額の費用で収まらないのですが、…。

> 子供の頃は似たような家で、、
> 夏は涼しくて、、良く昼寝が
> 出来ました(笑

確かにひんやりして夏は快適でしたね。冬は囲炉裏にへばりついていました。

2019/04/17 (Wed) 19:28

のんびり熊  

こんばんは
冬支度の第一は薪の確保でしょう。
大変な量の薪と炭が必要ですね。
現在隣家で薪ストーブを使っていますが、調達には非常な苦労をしているようですよ。
シャレた気分も苦労します。

2019/04/17 (Wed) 19:37
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

> こんばんは

のんびり熊さん、こんばんは。

> 冬支度の第一は薪の確保でしょう。
> 大変な量の薪と炭が必要ですね。
> 現在隣家で薪ストーブを使っていますが、調達には非常な苦労をしているようですよ。
> シャレた気分も苦労します。

実は、我が家も養子になってきた頃は、薪で沸かした風呂でした。その薪ですが、養父が弁護士をしていて、取り壊しになった家屋が出ると引き取っていました。火の粉が出て、火事にでもなったら大変なので、ガス風呂に代えました。
また、私が育った田舎の家も、かまどがあり、私が飯炊き役でした。その薪は、隣の製材所の木っ端をもらってきていました。
まあ、たまたまの状況がありましたが、普通じゃありえないことですよね。

2019/04/17 (Wed) 19:45

ichan  

こんばんは

何とも載るのが恐ろしい籠ですね。
しかも、移動するのに力が必要。
下を見たら固まってしまいそうです。

建物に目を転じると梁や柱の材木が素晴らしいです。
また、曲がった材木を組める技術も素晴らしいと
思います。

2019/04/17 (Wed) 21:45
AzTak

AzTak  

Re: こんばんは

ichanさん、こんばんは。

> 何とも載るのが恐ろしい籠ですね。
> しかも、移動するのに力が必要。
> 下を見たら固まってしまいそうです。

今回ばかりは、『俺は平気だ』という勇者が名乗り出るには厳しいところ過ぎたかもしれませんね。尤も、私は火の見櫓にも上れない軟弱者で、話の輪にも入ることができませんが。

> 建物に目を転じると梁や柱の材木が素晴らしいです。
> また、曲がった材木を組める技術も素晴らしいと
> 思います。

そうですよね。ですが、この民家園には組み立てたやつは天才だと思わせるような複雑な梁の家屋がありました。

2019/04/17 (Wed) 22:08

makira  

こんばんは!

AzTakさん、こんばんは!
渡し籠は谷や川を挟んでの移動手段ですね!
高所恐怖症ではないので一度は乗ってみたいのですが・・・笑)
囲炉裏はぼんやりと周りに座った記憶はあるのですが
機織りは記憶に無しです 汗)
囲炉裏とか機織りなんて言葉も死語になっちゃうのでしょうね!
寂しいものがあります。
だからこそ、こういう場所は大切にしなくてはいけませんね!

2019/04/17 (Wed) 22:25
AzTak

AzTak  

Re: こんばんは!

> AzTakさん、こんばんは!

makiraさん、こんばんは。

> 渡し籠は谷や川を挟んでの移動手段ですね!
> 高所恐怖症ではないので一度は乗ってみたいのですが・・・笑)

あれまあ、勇ましいですね。でも、上のメインロープも蔦を編んだものですよ。乗りご事、操作のしやすさ、どれをとっても最悪なんだろうと思います。それがなくても、極度の高所恐怖症の私には、絶対にできないことだと思います。

> 囲炉裏はぼんやりと周りに座った記憶はあるのですが
> 機織りは記憶に無しです 汗)

(ΦωΦ)フフフ…、そうなると私と同じです。

> 囲炉裏とか機織りなんて言葉も死語になっちゃうのでしょうね!
> 寂しいものがあります。
> だからこそ、こういう場所は大切にしなくてはいけませんね!

そうですね。古民家を見せるばかりでなく、市民(区民)の体験型学習として盛んにやっているのが、世田谷区の次太夫堀のそれかなと思います。養蚕、機織り、藍染、鍛冶、古民家修復、…多岐にわたる活動があるようです。
何もやろうとしない目黒区とは大違いです。

2019/04/17 (Wed) 22:39

鏡花水月  

AzTak様、こんばんは!
『渡し篭』私も乗ってみたいです。
強風さえなければ気持ち良さそうです。
きっと鳥さんとお近づきになるのにも良さそうです。
向こう岸との高低差があれば、下る方はいいのですが、人力で上がるのは大変です。
二の腕が脂肪でプルプルしている暇はなさそうです。

2019/04/18 (Thu) 00:18
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

> AzTak様、こんばんは!

鏡花水月さん、こんばんは。

> 『渡し篭』私も乗ってみたいです。
> 強風さえなければ気持ち良さそうです。
> きっと鳥さんとお近づきになるのにも良さそうです。
> 向こう岸との高低差があれば、下る方はいいのですが、人力で上がるのは大変です。
> 二の腕が脂肪でプルプルしている暇はなさそうです。

あれまあ、世の中には勇敢な方が少なからずいるようですね。これではありませんが、神戸商船高専にいた父は、海王丸の帆を張る作業などを行っていたそうです。もちろん洋上でです。『お父さん、怖くなかったの?』と聞くと、『全然』という答えが。その息子がこんな意気地なしでは、育て方を間違えたと思っているかもしれません。

2019/04/18 (Thu) 20:09

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