日本民家園(4) - 日本民家園_2019_Mar
FC2ブログ

日本民家園(4)

三澤家住宅
中山道信濃路の脇往還・伊那街道(三州街道)に面する宿場町・伊那部宿(長野県伊那市)にあった。農業を主とし、代々組頭をつとめてきたが、江戸時代の末に製薬・売薬業を始めて成功した家だそうだ。
外観
石置板葺のゆるい切妻造屋根が何と行っても特徴的だ。加えるに、式台玄関があること。それなりの格式の家だったということだろう。
外観_1
たしかに立派な式台玄関だ。伊那部宿の実力者に家屋にふさわしいものだろう。
外観_2
『津知や』という看板が掲げられている。屋号は『槌屋』だそうだ。難しい漢字でなく、誰でもわかる漢字仮名表記にしたのだろう。外壁の美しさも特筆モノだろう。
外観_3
商家は間口に応じて税金が課せられていたと思うが、途中から商家に転じた家屋の場合、非常に不利だったのではなかろうかと心配になってしまう。前回見てきた井岡家住宅なども間口が狭く、奥行きがある建物だった。
外観_4
屋根部分を拡大してみるとこんなふうだ。驚いてしまうような屋根材と工法だ。
外観_4_拡大
外観_5
建物内部の様子
この日は床上げ対象の家屋になっていなかった。そのため、外から見るだけだった。
薬種商を営んでいた当時の設えに復元している
建物内部の様子_1
右手前の階段は、説明しやすいショットが撮れなかったが、この階段は箱階段になっている
建物内部の様子_2
農家が突然、薬種商になったという感じがありあり。家人の誰かが勉強して薬学の知識を身に着けたのだろうか?
建物内部の様子_3
建物内部の様子_4
建物内部の様子_5
このかまどは女性たちには助かる仕掛けだったのではなかろうか?
建物内部の様子_6
農家だった頃の名残かな
建物内部の様子_7
建物内部の様子_8

三澤家住宅の間取り
三澤家住宅の間取り

神奈川県指定重要文化財
旧所在地:長野県伊那市西町
建物区分:商家(薬種問屋→旅籠)
構造形式:切妻造、石置板葺、一重、一部二階、桁行13.6m、梁行12.7m
建築年代:19世紀中期
宿場で薬屋を営んだ板葺き屋根の家
この建物は、中山道から分かれる伊那街道の宿駅、伊那部宿にありました。農業を主とし、代々組頭をつとめてきましたが、江戸時代の末に製薬・売薬業を始めて成功しました。
外観上の特徴は、石置板葺のゆるい切妻造屋根と上手の門構え、それから式台玄関です。板葺の屋根は良材に恵まれた山間部の地域性によるものです。間取りにはこの宿場の半農半商的性格が現れています。通り土間で大戸口から敷地奥へつなぐのは町屋の特徴です。一方、土間後部をウマヤとし、囲炉裏のあるオオエを中心に構成する点はこの地方の農家と共通しています。
見どころポイント!
栗の板を使った屋根は横木と石だけで押さえてあります。
展示してある看板は、薬屋と旅館を営んでいたときのものです。

AzTak
Posted by AzTak
投稿 2019年04月06日
最終更新 2019年04月06日

14 Comments

There are no comments yet.

りおん  

立派なお店だったのですね。
間取りがすごい^^;
今の土地に住み始めて、納戸という言葉を時々聞くのですが
物置のことかな?ぐらいに想像していました。
寝室も兼ねていたのですね。
囲炉裏がステキ!
期間限定で生活してみたくなりました^^

2019/04/06 (Sat) 09:04

MT  

こんにちは

この屋根はすごいです。石を置いてますよね。何かの拍子に頭の上に落ちてきたら怖いです。でも実際にこのような家があったと言うことですよね。その昔の誰が考えた方法なのか分かりませんがちょっと面白いです。^^;

2019/04/06 (Sat) 17:00

のんびり熊  

こんばんは
当地方にも板葺き石置きの屋根が在りましたねえ。
現在は木曽の宿場に僅かに残る程度かもしれません。

2019/04/06 (Sat) 19:29

senri32  

京浜急行 → 東急東横線 → 南武線 → 小田急線。とっても大変でした。

2019/04/06 (Sat) 20:11
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

りおんさん、今晩は。

> 立派なお店だったのですね。
> 間取りがすごい^^;

信州の宿場町なので、広く敷地を撮ることができたのでしょうね。

> 今の土地に住み始めて、納戸という言葉を時々聞くのですが
> 物置のことかな?ぐらいに想像していました。
> 寝室も兼ねていたのですね。

そうですね。昔の家屋で畳敷きは非常に珍しく、豪農が客人をもてなす部屋などにあったくらいです。板の間ならまだしも、竹簀の上に茣蓙を敷いただけとか、土間そのものに茣蓙を敷いただけとか、凄いものがありました。
今の人は何と贅沢な暮らしをしているんでしょうかね。

> 囲炉裏がステキ!
> 期間限定で生活してみたくなりました^^

この家は、そんなに寒くはなさそうですね。1週間位泊まるんだったら最高かもしれませんね。

2019/04/06 (Sat) 20:52
AzTak

AzTak  

Re: こんにちは

MTさん、今晩は。

> この屋根はすごいです。石を置いてますよね。何かの拍子に頭の上に落ちてきたら怖いです。でも実際にこのような家があったと言うことですよね。その昔の誰が考えた方法なのか分かりませんがちょっと面白いです。^^;

床上げの日に囲炉裏の煙がどう立ち上るのか観察したことがあります。茅葺の屋根よりも勢いよく出ていました。
もしかしたら、豪雪地帯ではないところでは、勾配の急ではない屋根にし、少量の雪は煙で融かしてしまう遣り方だったのかもしれません。
石は突風対策ではなかったかと思っています。丸っこい石ではなく、安定の良い石になっています。横木でずり落ちないようにしていたんだと思います。

2019/04/06 (Sat) 20:59
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

> こんばんは

のんびり熊さん、こんばんは。

> 当地方にも板葺き石置きの屋根が在りましたねえ。
> 現在は木曽の宿場に僅かに残る程度かもしれません。

諏訪と伊那と、それほど離れていませんよね。文化圏もおなじだったのかな。似たものがあったんですね。

2019/04/06 (Sat) 21:11
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

senri32さん、こんばんは。

> 京浜急行 → 東急東横線 → 南武線 → 小田急線。とっても大変でした。

(ΦωΦ)フフフ…、大変だったでしょうね。向ヶ丘遊園駅からは徒歩で通ったのでしょうか?

2019/04/06 (Sat) 21:14

ichan  

こんばんは

板葺にも色々な種類があったようですね。
現代でこの種の屋根を拭ける職人さんはあまり
いないでしょう。
かまどが床の上に設置されているのはある意味
で驚きです。
断熱や火災対策はしてあるのでしょうが・・。

2019/04/06 (Sat) 21:16

makira  

こんばんは!

AzTakさん、こんばんは!
石置板葺のゆるい切妻造屋根ですか!
ゆるい傾斜とはいえ石は置いてあるだけなんでしょうか?
雨風、積雪等にも耐えられたのでしょうか?
瓦は式台玄関部分だけですが、当時はそれなりの格式の家でしか
使えなかったのでしょうね!

2019/04/06 (Sat) 22:34
AzTak

AzTak  

Re: こんばんは

ichan さん、こんばんは。

> 板葺にも色々な種類があったようですね。
> 現代でこの種の屋根を拭ける職人さんはあまり
> いないでしょう。

まあ、殆ど注文がないでしょうから、技術継承者が置いていけば、それで廃れてしまうかもしれませんね。

> かまどが床の上に設置されているのはある意味
> で驚きです。
> 断熱や火災対策はしてあるのでしょうが・・。

毎日は使わないとか用心はしていたんだと思いますが、主婦には好評だったのかもしれませんね。

2019/04/06 (Sat) 22:34
AzTak

AzTak  

Re: こんばんは!

> AzTakさん、こんばんは!

makiraさん、こんばんは。

> 石置板葺のゆるい切妻造屋根ですか!
> ゆるい傾斜とはいえ石は置いてあるだけなんでしょうか?
> 雨風、積雪等にも耐えられたのでしょうか?

おいてあるだけです。まあ、横木で滑り落ちにくくはしてありますが。
床上げ開放のとき、どういうふうに煙が出るのか観察しました。屋根全体から抜けるんですね。あれで雪を溶かしたのでしょう。伊那地方は越後の豪雪地帯とは違って、それほどの積雪はなかったでしょうから、これで十分だったのかと。また、あれで、濡れた屋根葺きの木材を乾かす働きもしていたんだと思います。そして、石は突風対策ではなかったかと。
総合的によく考えられた屋根だと思いました。

> 瓦は式台玄関部分だけですが、当時はそれなりの格式の家でしか
> 使えなかったのでしょうね!

たぶん、この家が瓦葺きにできないかといえば、そんなことはなかったと思います。ですが、この方式の良さがあったんだと思います。

2019/04/06 (Sat) 22:43

鏡花水月  

AzTak様、こんばんは!
家屋の造りと気候風土は緻密に連動しているなと思いました。
積雪量と屋根の造りの関係のくだりは興味深く読みました。
屋根の石が落ちてこないのかなと不思議に思いました。
やっぱり忘れた頃に落ちてくることはあったのだろうと。

2019/04/08 (Mon) 00:05
AzTak

AzTak  

Re: タイトルなし

> AzTak様、こんばんは!

鏡花水月さん、こんばんは。

> 家屋の造りと気候風土は緻密に連動しているなと思いました。

そうですね。私もそう思います。

> 積雪量と屋根の造りの関係のくだりは興味深く読みました。

何の根拠がある話ではなく、私がかってにそうではなかろうかと考えただけの話です。『あいつ、またいい加減なことをいっている』くらいのスタンスで居てください。

> 屋根の石が落ちてこないのかなと不思議に思いました。
> やっぱり忘れた頃に落ちてくることはあったのだろうと。

ゴツゴツした摩擦係数の大きそうな石でした。よほど運が悪くなければ落ちてけがをすることなど無いように思います。

2019/04/08 (Mon) 20:05

Leave a reply