九品仏浄真寺(2)
九品仏浄真寺は世田谷城の支城だった奥沢城の敷地にある。他の寺院に見られるような参道から本堂まで一直線に進むような感じの道ではない。
参道・総門から左折して、仁王門をくぐった先の道がこの写真に見えている光景だ。

その右側には本堂が見える

本堂
新しい堂宇だろうが、決して出過ぎた感じはない。古刹にふさわしい佇まいを備えている。
此の本堂には、本尊で都指定有形文化財(彫刻)の木造釈迦如来坐像があり、同じく都指定有形文化財(彫刻)の木造珂碩上人坐像がある。また、中庭を挟んだ向かい側の三品堂には同じく都指定有形文化財(彫刻)木造阿弥陀如来坐像(9躯)がある。
浄真寺には、「お面かぶり」と呼ばれる仏教行事がある。正式には「二十五菩薩来迎会」といい、3年に一度、本堂と上品堂の間に渡された橋を菩薩の面をかぶった僧侶らが渡るというもので、菩薩の来迎の様子を表すものだという。東京都の無形民俗文化財に指定されている。
外観


向かいの上品堂との間に橋が仮設の渡され、「お面かぶり」行事が行われる。

本堂内部左側
もちろんこれらの像を撮るのが主目的だったが、障子があいていれば、池にやってくる野鳥さんを撮りたかった。残念ながらあいていなかった。霊瑞(れいずい)師は、浄土宗京都知恩院の僧だった人か。偉い人だったのだろうなあ。



御本尊
大きさがよくわからないかもしれないが、間違いなく丈六(約4.85m)、この仏像の場合は、坐像なので八尺(約2.43m)の大仏像であると思われる。



本堂内部右側
大きな数珠がかけられてある。念仏講の大念珠数珠繰りに使用するものだろうか。

仏像の寺院だけあって、見事な像が並ぶ。『松露斎』は開山の珂碩上人の号。







2014年のお面かぶりの様子
此の年までは旧盆に行われていたが、2017年からは5月5日に行われるようになった。次回は2020年の開催だ。
お面かぶり
3Dの宗教劇は迫力がある。浄土宗が説く極楽浄土を見たような気がする。




仁王門の上層階の扉も開いていた

鷺草の伝説が残っている
