秩父祭笠鉾特別曳行ほか(6) - 秩父祭笠鉾特別曳行ほか_2012_October
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秩父祭笠鉾特別曳行ほか(6)

秩父神社の彫刻
夜の曳行に入る前に、秩父神社の素晴らしい彫刻の数々をご覧頂きたい。
左甚五郎作の「子宝 子育ての虎」
『子宝 子育ての虎』は、本殿正面左右に2面ずつ計4面あり、左甚五郎の作と言われている。以下は神社の掲示板による。
秩父神社の再興を命じた徳川家康は、寅の年、寅の日、寅の刻生まれとされ、それに因んで拝殿の正面には4面の虎の彫刻が施されている。左から2つ目の子虎と戯れる親虎の彫刻は、名工左甚五郎が家康の威厳と祭神を守護する神使として彫刻したものと伝えられている。当時の狩野派の絵画では、虎の群れの中に必ず一匹の豹を描くことが定法とされていたことから、母虎があえて豹として描かれているのが特徴的とのこと。
子宝 子育ての虎_1
子宝 子育ての虎_3

左甚五郎作の「つなぎの龍」
左甚五郎が彫刻したのは『龍』のみ。ところがこれが秩父に飾られるようになってから、秩父の街に異変が起こる。
秩父神社近くの沼で、夜な夜な龍神が暴れ回り、沼の付近では畑や家畜に大きな被害が出ていた。そして龍神が暴れた翌朝、神社の掃除をしていると、不思議な事に、必ず例の龍の彫刻の下に大きな水溜りが出来ていたという。
これはおかしいということになり、宮司が鉄の鎖で龍をでつなぎ止めたところ、騒ぎが収まったという。
あまりに精巧に彫られていたために霊が宿ったのかもしれない。凄いものだ。鎖は案外細い。目を凝らしていただければわかると思うが。
つなぎの龍_1
つなぎの龍_2
つなぎの龍_3

北辰の梟
目を凝らしてみて、漸くどこに梟がいるのか(木札の真上)わかった程度。どんなふうな格好をしているかなど、視力が4くらいないとわからないと思う。
なお、梟の上部には、願えば叶うと書かれ、「うずの泉」の彫刻がある。
北辰の梟_1
北辰の梟_2
ご本殿北側中央に彫刻された梟は、「北辰の梟」といって、菱川師宣描く有名な浮世絵の「見返り美人」よろしく、体は正面のご本殿に向き、頭は正反対の真北を向いて昼夜を問わずご祭神をお守りしています。
当社のご祭神である妙見様は、北極星を中心とした北辰北斗の星の信仰で、この梟の見ている方角に妙見様が出現することからも、ご祭神を特に縁りの深い瑞鳥であると言えるでしょう。
洋の東西を問わず、梟は智恵のシンボルと考えられており、当社のご祭神 八意思兼命 が智恵の神として崇敬の篤いことと重ねて、思慮深い神使として社殿北面に施されたものと思われます。


お元気三猿
クローズアップし忘れた。これではよくわからないので、クローズアップは秩父神社のHPから借用した。
『よく話そう』の猿はいたずらしているだけのようにしか私には見えない。
お元気三猿_1
お元気三猿_2
三猿といえば日光東照宮が有名ですが、同じ徳川家縁りの御社であるにも拘わらず、当社の三猿は日光とまったく違った表情をしています。
日光が古来の庚申信仰にちなんで「見ざる・言わざる・聞かざる」なのに対し。当社の三猿は「よく見・よく聞いて・よく話そう」ということで、現代の情報化社会にふさわしく俗に”お元気三猿”として皆様に親しまれています。
当社のご祭神である妙見様は、神仏の中心にあって、人間の元気な命を司る神様として永く信仰されてきたことから、特に不老長寿のご利益があると言われています。


幣殿西側の『瓢箪から駒』
『瓢箪から駒』が上記4作品についで有名なものだと知らなくて、アップのものを撮らなかった。
瓢箪から駒
馬に関する諺の一つに「瓢箪から駒」がある。意外なところから意外な発見や出会いがあることを表す諺であるが、その意味するところは開運招福である。そのため、社殿西側にはこの諺に因んだ彫刻が施されている。なお、秩父の夜祭では、祭神は御輿だけでなく神馬に乗って御旅所に渡るため、12月3日には本物の馬が2頭奉納されて神幸の供をする。
AzTak
Posted by AzTak
投稿 2012年10月14日
最終更新 -0001年11月30日

10 Comments

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makira  

おはようございます!

AzTakさん、おはようございます!
>日光が古来の庚申信仰にちなんで「見ざる・言わざる・聞かざる」なのに対し。当社の三猿は「よく見・よく聞いて・よく話そう」ということで、現代の情報化社会にふさわしく俗に”お元気三猿”として皆様に親しまれています。
なるほど・・・朝から目が醒めるような勉強をさせていただきました。
ところで、こんな有名で素晴らしい彫刻は無料で拝見できるのですか?
素晴らしい彫刻を見に行くだけでも価値がありそうな秩父ですね!

2012/10/14 (Sun) 06:48

AzTak  

Re: おはようございます!

> AzTakさん、おはようございます!

makiraさん、おはようございます。朝のミサに行って来ました。たまには行かないと、ここのところ、神社仏閣を嫌というほどまわって来たので、…。

> >日光が古来の庚申信仰にちなんで「見ざる・言わざる・聞かざる」なのに対し。当社の三猿は「よく見・よく聞いて・よく話そう」ということで、現代の情報化社会にふさわしく俗に”お元気三猿”として皆様に親しまれています。
> なるほど・・・朝から目が醒めるような勉強をさせていただきました。
> ところで、こんな有名で素晴らしい彫刻は無料で拝見できるのですか?
> 素晴らしい彫刻を見に行くだけでも価値がありそうな秩父ですね!

もちろん無料です。申し訳ないから賽銭をと思ったのですが、祭りの合間にちょいとお参りをと考える方が多くて、賽銭を入れ損ねてしまいました。
彫刻は、私が感じた限りでは、ワイドで撮ったほうが映えるものと、クローズアップして撮ったほうがよいものとがあります。三猿やつなぎの龍、北辰のふくろうはいずれも小さく、少し長めの望遠のほうが宜しいかと思います。12月3日の夜祭の時に観光バスがそれこそ4桁の単位で出るようですが、殆どのバスは昼の曳行と夜の曳行とどちらも見ることができるようになっています。その合間に、秩父神社で彫刻を写す時間もあるはずです。夜のシーンを撮りたいので、今度の16日にある有料観覧席の申し込みに申し込んでみようかと思っています。

2012/10/14 (Sun) 09:30

yuusuke320  

コンバンワ。

秩父笠鉾は華麗ですね。
オイラは熊谷の妻沼・聖天さんへ行って来ました。
詳しくは17日アップです。  と御邪魔しました。

2012/10/14 (Sun) 17:59

ゆるポタ  

http://yurupota.blog66.fc2.com/

凄い彫刻ですね。
こんな彫刻は東照宮だけかと思ってました(^^ゞ
龍も、なんか動き出しそうに見えますから
昔の人は、そう思ったのかもしれませんね。
望遠レンズを持ってると、こうゆう時、人より得した気分で見れますね(笑)

2012/10/14 (Sun) 19:56

AzTak  

Re: コンバンワ。

> 秩父笠鉾は華麗ですね。
> オイラは熊谷の妻沼・聖天さんへ行って来ました。
> 詳しくは17日アップです。  と御邪魔しました。

遊助320さん、こんばんは。

歓喜院聖天堂は、国宝に指定されたばかりなんですよね。混んでいましたか?『気ままに起承転々天』の17日の記事を楽しみにさせて頂きます。国宝・重文の文字にまったく堪え性がないので、そういうものがあると知ったら、つい行ってみたくなります。病人がいなければ、すぐにでも飛んでいくのですが…。

私は年内は秩父の夜祭に行く予定のみを立てています。有料観覧席の券が入手できればいいなと願っています。勿論、当日が晴天であることも。

2012/10/14 (Sun) 21:41

AzTak  

Re: http://yurupota.blog66.fc2.com/

> 凄い彫刻ですね。
> こんな彫刻は東照宮だけかと思ってました(^^ゞ
> 龍も、なんか動き出しそうに見えますから
> 昔の人は、そう思ったのかもしれませんね。
> 望遠レンズを持ってると、こうゆう時、人より得した気分で見れますね(笑)

ゆるポタさん、こんばんは。

家康が天下を取る前、関東で力を蓄えていた頃に接触があったようです。
いまは、秩父宮殿下との繋がりが強いようです。お手植えの樹木などがあります。それで神社の格がいっそう上がった感じなのかもしれません。
彫刻についてですが、段々目が悪くなってきたのか、以前は見えていたと思っていたのか、あまり興味がなかったのか、200ミリまでで用が足りると思い、それ以上のものを携行しませんでした。ところが意外に小さかったんです。肉眼でははっきり見えなくていらいらするでしょうね。夜祭の本番に行って写真が撮れれば、その時に差し替えようかなと思っています。
左甚五郎の彫刻は、あまりに精巧すぎて霊が入ってしまったのか、動くという評判のものが他にもたくさんあるようです。そういう噂を気に懸けたのか、最後の頃の作品には眼に釘を打ち込んだ作品があると聞きました。凄い人だったようです。
他の作品も、左甚五郎に負けじと作者たちが執念を燃やしたのか、力作ぞろいです。

2012/10/14 (Sun) 22:00

kozoh55  

お晩です、AzTakさん

秩父神社とは、こんな素晴らしい場所なのですね。
日光より、更に原色の色が鮮やかな感じがします。
特に、豹の姿が鮮やかに見えます。
他の竜やふくろうもいいですねえ。
おさるさんは漫画のキャラのようで
親しみを感じます、左甚五郎は実在の人物?という
印象を持ってましたが、やっぱり実在だったのですね。
ちょっと嬉しかったりして。
またお邪魔します。

2012/10/14 (Sun) 23:01

AzTak  

Re: お晩です、AzTakさん

> 秩父神社とは、こんな素晴らしい場所なのですね。
> 日光より、更に原色の色が鮮やかな感じがします。
> 特に、豹の姿が鮮やかに見えます。
> 他の竜やふくろうもいいですねえ。
> おさるさんは漫画のキャラのようで
> 親しみを感じます、左甚五郎は実在の人物?という
> 印象を持ってましたが、やっぱり実在だったのですね。
> ちょっと嬉しかったりして。
> またお邪魔します。

kozoh55さん、おはようございます。

徳川家康が直々に神社の再興を命じたということから、『子宝 子育ての虎』に関しては、左甚五郎の偽物が入り込む余地はなかったものと思われます。『つなぎの龍』に関しては、そう伝えられているから、まあ、そうだろうということくらいしか私には言えません。
こういう有名な神社は、いろいろな人に注目されています。長い歴史の中で揺るがなかった左甚五郎の作品であるという認定。認定に間違いがあったということは考えられにくいように思います。素直に信じたいと思います。

2012/10/15 (Mon) 06:48

ちぃぼぅ  

こんばんは。

ホントに龍が鎖でつながれているんですね。
なかなか関東のほうに行く機会がありませんが
行く機会があれば、自分の目でみてみたいですね!

2012/10/15 (Mon) 22:33

AzTak  

Re: タイトルなし

> こんばんは。

ちぃぼぅさん、こんばんは。

> ホントに龍が鎖でつながれているんですね。
> なかなか関東のほうに行く機会がありませんが
> 行く機会があれば、自分の目でみてみたいですね!

見た感じ太さ5ミリほどの細い鎖です。目が良くない人は肉眼では見えないかもしれません。今度夜祭に行った時に、もう少し長いレンズで撮り直そうと思っています。
左甚五郎が作品に鎖を巻かれたことを知ったのはいつなんでしょうかね。死ぬまで知らなかったならともかく、生きている内だったら、『俺の作品になんてことをしやがる』と怒り心頭に発したかもしれませんね。尤も、『自分の作品は、どうも動いてしまうようだ。だから動かないようにする』とばかりに、自分の彫刻作品で眼を大きな釘で刺して動かないように押さえつけたデザインにしたものがあると聞きます。
まあ、色々と伝説の多い人物のようです。
この神社は家康が天下取りの直前に再興したのですが、そういうこともあってか、日光の東照宮建築の際に参考にされたようです。日程を1日余計にとって見に行く価値はありそうです。池袋から秩父までレッドアロー号で約80分ほどです。


2012/10/15 (Mon) 23:26

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