横浜山手界隈(5)
英語表記はChrist Church。英語で、Christ Churchはニュージランドの都市名であると同時に、修飾語を入れない限り国教会や聖公会のチャペルを指すようだ。大谷石が外壁に貼りめぐらされている目に優しい感じの建物だ。
初代の建物は、1863(文久3)年横浜の居留地(今の中華街)に建てられた。
2代目の建物から現在地に移った。尖塔を持った煉瓦造のゴシック様式の教会がコンドルの設計によって建てられたが、震災で倒壊した。そのため、現在の建物である3代目の建物がJ.H.モーガンの設計で1931年に建てられた。1947年に内部修復工事が完成。また、この時から日本人信徒をも受け入れるようになったようだ。ノルマン様式の聖堂だそうだ。





山手234番館
一般公開してからの年数は浅く、私自身は初めて中に入った。外国人向けの共同住宅にしてはやや狭い感じだが、昭和初期当時の住宅事情ではやむをえなかったのだろうか。










エリスマン邸の斜め前、山手本通沿いに建つ山手234番館は、昭和2(1927)年頃外国人向けの共同住宅(アパートメントハウス)として、現在の敷地に民間業者によって建設されました。関東大震災により横浜を離れた外国人に戻ってもらうための復興事業の一つとして建てられ、設計者は、隣接する山手89-6番館(現えの木てい)と同じ朝香吉蔵です。
建設当時の施設は、4つの同一形式の住戸が、中央部分の玄関ポーチを挟んで対称的に向かい合い、上下に重なる構成をもっていました。3LDKの間取りは、合理的かつコンパクトにまとめられています。また、洋風住宅の標準的な要素である上げ下げ窓や鎧戸、煙突なども簡素な仕様で採用され、震災後の洋風住宅の意匠の典型といえます。
建築後、第2次世界大戦後の米軍による接収などを経て、昭和50年代頃までアパートメントとして使用されていましたが、平成元(1989)年に横浜市が歴史的景観の保全を目的に取得しました。平成9(1997)年から保全改修工事を行なうとともに、平成11(1999)年から一般公開しています。1階は再現された居間を中心に山手地区の洋館のパネル展示、2階は貸し出しスペースとして、ギャラリー展示や会議等にご利用いただけます。
同じ朝香吉蔵設計のえの木てい
