またも出かけた日本民家園(17)
国指定重要文化財の南部の曲屋。当初から曲屋として造られたものとしてはごく初期のものらしい。この家屋は日本民家園のコースから分岐した位置にあって見落とすことが少なくなく、確か私は2度目の見学。床上公開には当たったことがない。
主屋には天井がない。厳しい冬場は囲炉裏の火で家全体を暖めながらすごした。言ってみればセントラルヒーティング。ダイドコの囲炉裏はニワからも利用することができるのはいいのだが、見た感じでは囲炉裏がたった一つしかないようだ。それも非常に大きいとは言いかねるものだ。厳冬期には震えあがるほどに寒かったのではないのかと気になって仕方がない。
外観
その後に作られた曲屋はもう少し曲がり部分が長いようだ




屋内
間取り

大きな囲炉裏
そのように教育委員会の解説に記載されていた。しかし、特に大きいとは思えない。ニワからも履物を脱がずに温まることができるようにはなっているが、このかなり大きな家屋全体を温める暖房源としては、何とも心もとなく思えてしまう。


ニワ
大戸口と隣接するマヤ辺りを見た様子。この部分だけでもかなり広いことがわかる。囲炉裏が一つだけで足りるのか心配になるのは私だけだろうか。

ダイドコ
屋外からダイドコやニワ、ジョウイなどを見た様子。天井は吹き抜けになっていて、ここから暖気が各部屋に回すようになっていた。

ジョウイとカッテノマ

ザシキ
囲炉裏から一番遠く、客用の部屋だと思われるのに、相当に寒そうに見える。雪が深くなる冬季には訪ねる人も少なくなるということだろうか。火鉢などは移築の際に処分したのか、それとも最初から用意しなかったのだろうか。

シモザシキとザシキ


国指定重要文化財
旧所在地:岩手県紫波郡紫波町舟久保
建物区分:農家(名主の家)、曲屋
構造形式:寄棟造、茅葺、桁行19.2m、梁行11.1m/南面に馬屋突出、寄棟造、茅葺、桁行7.6m、梁行6.3m
建築年代:宝暦(1751〜1763)頃