またも出かけた日本民家園(8)
作田家住宅は、イワシの地引網漁で栄えた九十九里にあった網元の家。漁具小屋は別に海岸近くにあり、この家そのものは内陸に立地していたそうだ。そのため、特に漁村特有の家屋の雰囲気はあまりないとのことだ。半農半漁の地区で育った私でも、そのように感じる。
外観
分棟型の家屋であり、つなぎ目のところに雨樋が絶対に必要であるとわかる。何故、分棟型にしたのか、その理由はいくら考えてもよくわからない。






室内
間取り

カミ・チャノマ
見事な梁組だ。どうやって組み上げたのだろうか。棟梁の頭の中をのぞいてみたいものだ。



囲炉裏には火棚を設置していない。お蚕さんを飼っていたわけではなさそうなので、そう大量に煙をいきわたらせる必要がなかったのかもしれない。また、この家屋が所在したのが房総地方だったから、冬場もそれほどは寒くなかったのかもしれない。

ニワ
ニワ(土間)の梁組はそれほど複雑ではない。だが、この梁組みの下に、ニワがまるまる収まる。馬鹿に広い空間だ。いったい何に利用したのだろうか。




分棟型家屋の雨樋


この下から雨水を落とす


国指定重要文化財
旧所在地:千葉県山武郡九十九里町作田
建物区分:漁家(網元の家)、分棟型
構造形式:主屋=寄棟造、茅葺、桁行13.0m、梁行11.1m、風呂場及び便所付属 土間=寄棟造、妻入、茅葺、桁行11.5m、梁行5.6m
建築年代:主屋=17世紀後期、土間=18世紀後期