何度目かの川崎市立日本民家園(4)
この日、囲炉裏に火を入れての床上公開を行っていた。江向家住宅の床上公開にあたったのは、今回が初めてだったかもしれない。超ラッキー。
全景はこの角度からしか撮れないようだ。贅沢は言うまい。
この日本民家園に来るまで、茅葺屋根は、すべからくフラットに葺くものだと思い込んでいた。此処で縞状の葺き方を見た時、本当に驚いた。




よそ見をしていたら、思い切ってこの茅にぶつかってしまった。国指定の重要文化財を壊さずに済んで、胸をなでおろした。




石をくりぬいた水舟だ。かなり贅沢なのでは。もしかしたら渓谷沿いなので、大きな石がいくらでもあるのだろうか。

火棚は、爆ぜた火の粉が茅などまで飛んでいかないようにしたり、濡れたものを乾かしたり、燻製をつくったり、…。多目的に使われていたようだ。


この階段は急勾配だし、落ちそうだし、壊れそうだし、…。注意書きがなくてもトライする気にはなれそうにない。







ブツマとその手前のオマエのみが畳敷き。後は畳の間などなかった。畳は相当に贅沢なものだったようだ。


国指定重要文化財
旧所在地:富山県南砺市上平細島
建物区分:農家(組頭の家)、合掌造
構造形式:切妻造、妻入、茅葺、一重三階、桁行19.6m、梁行8.5m
建築年代:18世紀初期
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田の字型の間取りを持つ合掌造りの家
富山県の五箇山地方は、岐阜県の白川地方とともに合掌造で知られています。しかし、それぞれ特徴があり、五箇山でも庄川本流と支流の利賀谷(とがだん)とでは違いが見られます。
この建物は庄川本流系で、「妻入(つまいり)」「正面に茅葺の庇を付けた入母屋造風」「田の字型の四間取り」といった特徴を持っています。床上には、下手に囲炉のあるデイとオエ、上手にオマエとヘヤが並んでいます。デイは接客用、オエは日常生活の場、ヘヤは寝室、オマエは正式な座敷です。 このオマエは畳敷きで、浄土真宗が盛んな地域のためブツマ(仏間)が設けられています。
見どころポイント!
急勾配の大屋根は、手を合わせた形から合掌造と呼ばれます。2階3階は養蚕などに使われました。
いろりの上の大きな棚は、火の粉が上がるのを防ぐとともに、濡れたものの乾燥などに使いました。