帝釈天~山本亭~矢切の渡し~スカイツリー(10)

山本亭(1)
イベントが行われない日だったためか、客は私一人。貸切状態で、ゆっくり見て回ることができた。

山本亭の入口付近



玄関をくぐったところ

控えの間
部屋の様子


欄間は内側から見るとすごく素敵


土蔵入り口


廊下
かなりゆったりしている。行った時には気づかなかったが、廊下が暗くならないように工夫がしてあったようだ。

水屋
お茶室は独立した建物があるので、ここに水屋がある理由は何なのだろうか。ここでも、来客用にお茶を点てたりしたことがあったのだろうか。

電話室
随分古めかしい電話機が残っていた。ただし、もともと此処にあったものか、どこか別のところから展示用に持ち込んできたものかはわからない。おそらくは後者だろう。


主庭に迫り出している方の3間続きの和室
旧玄関に近い方から、鳥(10畳)、雪(8畳)、風(8畳)

欄間はこんなふう


火鉢も残されていた


庭園
建物は木造2階建て(1階120坪、2階15坪、地下防空壕、土蔵、長屋門)で、庭園は270坪で縁先の近くには池泉を、背後には緑濃い植え込みと築山を設けて滝を落とすという典型的な書院庭園です。
昭和初期における庭園様式を現在まで残した稀有の例で、同様の例は旧安田邸、徳富邸があります。
滝は池の最も遠い部分の入江奥に設けられ、庭園に奥行の深さと心地好い滝の音を作り出しています。
また限られた池水面をより広く見せる手法として、池の諸方向に入江を設け、池岸を多様に変化せしめています。 米国の日本庭園専門誌「Sukiya Living(数寄屋リビング)/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が実施した日本庭園のランキング調査の結果、山本亭の庭園が2013年5位にランクインしました。
このランキングは、全国900カ所以上の旧所名跡、旅館、旧別荘を対象としています。順位が発表された2003年以降、山本亭は7位以内にランクインし続けています。
歴史
山本亭は、合資会社山本工場(カメラ部品メーカー)の創立者、故山本栄之助氏の自宅でした。山本宅は浅草の小島町一丁目にありましたが、 大正12年の関東大震災で被害を受け、製瓦業者の屋敷跡(当地)に移転して来ました。
大正15年から昭和5年まで増改築を重ね山本家四代に亘り、昭和63年まで居住していました。現在は葛飾区が保存していて、平成3年4月から一般に公開されました。
山本亭の土蔵は、栄之助氏が屋敷跡を取得した当時からあり、改修は行われていますが築造年は判明しておりません。現存する建物の中で一番古い建造物となります。
大正15年から昭和2年頃、東棟の玄関・廊下を改修し、西棟および蔵前廊下の新築をして、二世帯住宅の形となりました。
昭和5年、東棟の湯殿を火災で焼失。その頃居宅の改修が施され、鳳凰の間を新築、ほぼ今日の状態と同じになりました。
和洋折衷様式の特異な長屋門は、昭和5年から8年に住居兼用であった古い長屋門を取り壊し新築されたものです。