帝釈天~山本亭~矢切の渡し~スカイツリー(5) 2015.02.15 17:11画像追加
彫刻ギャラリー(1)
いよいよ彫刻ギャラリーに入る。胴羽目には10枚の彫刻がある。その内の3枚は右側にある。奥に4枚、左側に3枚だったと記憶している。

以下は各作品を撮ったもの。羽目の彫刻だけでなく、直上の欄間の彫刻をも併せて撮った。私にはまるで理解できないが、妙法蓮華経二十八品からのもののようだ。検索のキー項目になりそうな情報を記したので、興味のある向きは、各自で検索してみていただきたい。
第一:序品(じょほん)『塔供養の図』



第三:譬喩品(ひゆほん)『三車火宅の図』



第五:薬草喩品(やくそうゆほん)『慈雨等潤の図』



第十:法師品(ほっしほん)『法師修行の図』



第十一:見宝塔品(けんほうとうほん)『多宝塔出現の図』



彫刻の参考にした図案だったのだろうか?free画像を借用した

帝釈堂内殿の外部は東・北・西の全面が装飾彫刻で覆われており、中でも胴羽目板の法華経説話の浮き彫り10面が著名である。これは法華経に説かれる代表的な説話10話を選び視覚化したもので、大正11年(1922年)から昭和9年(1934年)にかけて、加藤寅之助ら10人の彫刻師が1面ずつ分担制作した。この羽目板の上方には十二支と天人、下方には千羽鶴が表され、高欄(縁)より下の部分には花鳥および亀を浮き彫りで表す。これらの彫刻を保護するため、内殿は建物ごとガラスの壁で覆われ、見学者用の通路を設け、「彫刻ギャラリー」と称して一般公開している(「彫刻ギャラリー」と大客殿、庭園の見学は有料)。
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帝釈堂の木彫について
帝釈堂の内外には、数多くの木彫がほどこされているが、特に帝釈堂内陣の外側にある十枚の胴羽目彫刻は、仏教経典の中でも最も有名な「法華経」の説話を選び出して彫刻したものである。
この法華経説話彫刻は、当山題十六世観明院日済上人の発願になるもので、篤信者鈴木源次郎の丹識協力を得て、大正末期より昭和九年に至る十数年の歳月費やして完成したものである。因みに大正十一年、まず加藤虎之助師が「法師守護の国」を完成したが、師の発案によって残りの九枚を東京在住の名人彫刻師に以来することが決まり、大きな欅の彫刻材が各師のもとに運びこまれた。しかるに大正十二年、折からの関東大震災に遭って彫刻材を焼失したのである。そこで改めて欅の原材を全国に求め、昭和初年ようやく巨大な欅材を得て、本格的な木彫工事が始められたのである。従って、得難い彫刻材と言い、木彫技術についても希有のもので文化的価値の極めて高いものである。
法華経説話彫刻を中心に胴の最上段には「十二支の国」その下に「天人国」「説話彫刻図」「千羽鶴図」階下には「花鳥図」最下段には「亀図」が彫刻されている。作者は複数の彫刻師によって刻まれたが、ことに、「千羽鶴図」「花鳥図」「亀図」等は、千葉県鴨川出身の名人高石仙蔵師の彫りに成るものである。
従来、木彫は、風雨塵埃にされされ、金網等があり鑑賞しにくかったので、この度、堂周りに、新たに廻廊をめぐらし、総ガラス張りの「彫刻ギャラリー」を完成したのである。願わくは参詣各位において充分に鑑賞されることを望むものである。
帝釈天題経寺大十八世 望月日翔