散歩三昧

散歩や旅行の合間に撮った写真に簡単な説明を加えました

 

川崎市立日本民家園(8)

(9)野原家住宅(のはらけじゅうたく)《信越の村》
渡し籠が真っ先に目に入った。こんなもので、目が眩むような谷を自力で往来するのか。考えただけで、ここにはとうてい住むことはできないと震え上がってしまった。
神奈川県指定文化財
旧所在地:富山県南砺市利賀村利賀
建物区分:農家(組頭の家)、合掌造
構造形式:切妻造、一重三階、各面とも庇付、茅葺、桁行17.5m、梁行10.6m
建築年代:18世紀後期
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迫力満点の梁がみられる合掌造の家
「越中五箇山」とは、庄川本・支流域の五つの谷(赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷)を中心とした地域の総称です。野原家は庄川支流域の利賀(とが)谷にあった合掌造で、庄川本流域の合掌造とは間取りや構造に違いがあります。
まず間取りですが、庄川本流系が四間取りを基本とするのに対して、広間型三間取りとなっています。大戸口を入ると、土間前半はウマヤ、後半は台所と作業場を兼ねたニワです。ウマヤ前方の細い通路は外便所に通じていました。オエは日常生活の中心となる場で、囲炉裏を二つ設けています。
中央の巨大な梁を「牛梁」、ここから前後に架け渡した曲がりの鋭い梁を「チョウナ」といいます。迫力あるその様子は合掌造民家の大きな見どころです。

外観
外観_1
大戸口とは直角にマヤの脇を通って外便所に出入りする出入り口(表示板の背後)もあった。名称はなんというのだろうか?
外観_2
外観_3
内部
大戸口から入った様子
大戸口(おおとぐち)・厩口(うまやぐち)・背戸口(せどぐち)という風に、いろいろな出入り口の名称があったようだが、そのうちの大戸口から入った辺り。手前右はマヤ。奥まったところがニワ。
大戸口から入った辺り
渡し籠
ピントが合っていなくて恐縮だが、吊り下げられているのが、谷から谷へ人間を渡す働きをしたカゴ。『渡し籠』というようだ。高所恐怖症の私には、何とも怖い乗り物だ。しっかり捕まっていないと転落死間違いなしの状況なのだろう。
渡し籠
渡し籠のイラスト
オエ
庄川本流系が四間取りを基本とするのに対して、こちらは広間型三間取りで、オエが広くなっている。そのために囲炉裏も2つある。
オエ
チョウナ梁(根元の曲がった材を使用)が見事だ
チョウナ梁_1
チョウナ梁_2
外側から見たオエとザシキ
外側から見たオエとザシキ
ザシキ、ブツマ、ナンド
手前がザシキ。板囲いのところがナンド。襖の奥がブツマ。右の板張りがオエ。
ザシキ、ブツマ、ナンド
ブツマ
ブツマ
機織りをもしていたのだろうか
機織りをもしていたのだろうか
野原家の間取り
野原家の間取り

(10)山下家住宅(やましたけじゅうたく)《信越の村》
残念ながら工事中で、内部を見ることができなかった。従って外観写真のみ。
神奈川県指定重要文化財
旧所在地:岐阜県大野郡白川村長瀬
建物区分:農家、合掌造
構造形式:切妻造、一重三階、茅葺、桁行18.2m、梁行10.9m、正面庇付、石置き板葺
建築年代:19世紀前期
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民家園唯一の、白川郷の合掌造民家
この合掌造は、川崎駅前で観光料亭に利用されていたものを、民家園に再移築したものです。このような経緯から、復原せず、料亭時代の改造を活かした箇所が少なくありません。二階へ上がる階段も料亭時代のものです。
外観は切妻造、平入り(現状は妻入り)、庇部分の屋根を石置き板葺きとするなど、典型的な白川系の合掌造です。
合掌(叉首:さす)とは、屋根の骨組みとなる斜め材をいいます。特に白川から五箇山にかけての民家は、巨大な合掌を急勾配にかける工法で知られ、それを強調して「合掌造」という呼び方がひろまりました。高大な屋根裏は幾層にも区切られ、養蚕や冬期間の食糧や薪などの貯蔵場として利用されました。
一階は座敷三室がL字に配置されています。これを「鍵座敷」といい、一番奥の部屋は仏間と床の間を備えた一番格式の高い最上部の部屋でした。

外観
外観_1
外観_2
外観_3
外観_4
外観_5
外観_6
外観_7

Comments

こんにちは 
渡し籠 怖いですね~
これは高所恐怖症じゃくてもスリルあると思いますよ。
自分の手で縄を手繰り寄せて進むのですね?すくんで体が動けなくなってしまったら 立ち往生してしまいますね^^;
おはようございます。 
合掌造りもこうして比較すると個性があって人の顔と同じ、見慣れるとどこの地方の造りなのかすぐに分かるのでしょうね。白川郷の合掌造りはすぐに解りました。あ、これこれ、みたいに、懐かしい友人に出逢った感覚で。渡し龍・・・こちらでは野猿と言いますが、龍と猿、そりゃあ龍の方が怖いわ。
こんにちは。 
ここはいろんな古民家が沢山建てられているようですね。
合掌も色々な形があって、ここに行けばみんな見れそうですね。
 
こんにちは
合掌造りも地域によっていろいろ違いがあるようですね。
こうしていろいろな住宅を拝見していると、珍しいことばかりです。
私は白川郷の合掌造りしか見たことがありませんので、興味がわいてきますね。
それにしても、野原家住宅「チョウナ」梁の曲りを上手く利用して家を建てる技術はたいしたものだと思います。
先人の知恵の素晴らしさに脱帽です。
渡し籠の図面を見ただけで怖くなりますね。
今でいうロープウエイですかね・・・・・・



こんにちは 
この集落は、川崎市にあるんですか。
白川郷が全国的に有名ですが、家の大きさはこちらが上のようですね

それにしても、渡し籠ですかあ・・これで自力で谷を渡るなんて
恐ろしくて出来そうもないですね
Re: こんにちは 
モカさん、こんばんは。

> 渡し籠 怖いですね~
> これは高所恐怖症じゃなくてもスリルあると思いますよ。

何せ、ロープら滑車などは一切使わない超原始的なものですから。

> 自分の手で縄を手繰り寄せて進むのですね?すくんで体が動けなくなってしまったら立ち往生してしまいますね^^;

竦むも何も乗ることさえできかねます。私は、この周辺では生きていくことができなさそうです。
Re: おはようございます。 
HARUさん、こんばんは。

> 合掌造りもこうして比較すると個性があって人の顔と同じ、見慣れるとどこの地方の造りなのかすぐに分かるのでしょうね。白川郷の合掌造りはすぐに解りました。あ、これこれ、みたいに、懐かしい友人に出逢った感覚で。渡し龍・・・こちらでは野猿と言いますが、龍と猿、そりゃあ龍の方が怖いわ。

白川郷の合掌造りはすぐに解りましたか。何となく見慣れた感じはあるのかもしれませんね。
渡し籠だか野猿だか知りませんが、ああいう恐ろしげなものには百万円上げると言われても乗る勇気は出ません。生活のためとはいえ、勇気があったことですねえ。

こちらの合掌造りはもうおしまいで、これからは主に関東地方の古民家が登場します。
土座とか竹簀子とか屋根の頂上にイワヒバやイチハツを植えた「芝棟」なども登場します。国指定の重要文化財が結構存在するものなんですねえ。
Re: こんにちは。 
masaさん、こんばんは。

> ここはいろんな古民家が沢山建てられているようですね。
> 合掌も色々な形があって、ここに行けばみんな見れそうですね。

合掌造りも結構ありましたが、全てが網羅されているわけでは無いと思います。でも、1カ所でいくつも見ることができるのは有難いことですね。
次回からは、いよいよ後半の関東近辺の古民家が中心になります。
土座、竹簀の子、芝棟など、意外なものが登場しますす。昔は随分ハードな暮らしをしていたんだと思い知らされました。
Re: タイトルなし 
> こんにちは

花さか爺サンさま、こんばんは。

> 合掌造りも地域によっていろいろ違いがあるようですね。
> こうしていろいろな住宅を拝見していると、珍しいことばかりです。
> 私は白川郷の合掌造りしか見たことがありませんので、興味がわいてきますね。

渡しも右に同じです。皆判で押したように同じものばかりだと思い込んでいましたので、世の中いろいろあるものだなあと思わされました。

> それにしても、野原家住宅「チョウナ」梁の曲りを上手く利用して家を建てる技術はたいしたものだと思います。
> 先人の知恵の素晴らしさに脱帽です。

凄いものですよね。ああいう不規則なものでこともなげに家の主要部分を組み立ててしまうんですから、たいしたものですね。

> 渡し籠の図面を見ただけで怖くなりますね。
> 今でいうロープウエイですかね・・・・・・

まあ、原理的には同じなんでしょうね。ロープウェイぐらいは私でも何とか乗ることができますが、あの渡しカゴは乗ることすらできないと思います。実物を見た瞬間に凍り付きました。
Re: こんにちは 
dさんさま、こんばんは。

> この集落は、川崎市にあるんですか。

そうなんですが、川崎市はかなり細長い市域で、一番奥の方にあります。
川崎市が、京浜コンビナートからの固定資産税収入でがっぽがっぽ潤っているころに、開園させたようです。
そのご、土地の半分くらいが土砂崩れの危険がありそうだと言うことで、敷地の半分以上は使われないままのようです。それに、地元自治体も、何も縁もゆかりもない川崎市に寄付することはない。おらが街で、…というような話が次々に出てきて、なかなか規模は大きくなれないままのようです。
といっても、今でも相当な規模ですが。

> 白川郷が全国的に有名ですが、家の大きさはこちらが上のようですね

どうなんでしょうね。白川郷は実際に人が住んでいますから。そこが強みですよね。
こちらは、宿泊などしなくても、電車賃とバス代と入園料くらいで見ることができます。渡しの場合、全て込み込みで千円程度で、あがりました。ということなので、またそのうち行ってみようかと思います。

> それにしても、渡し籠ですかあ・・これで自力で谷を渡るなんて
> 恐ろしくて出来そうもないですね

高所恐怖症のすごさでは誰にも負けない、へんてこな自信があるのですが、実物のカゴを見た瞬間にフリーズしちゃいました。落ちるときも数m位の高さから落下するわけではなさそうです。
 
こんばんわ(ノ´∀`*)

渡し籠おもしろいです。でも、谷間で、力尽きたら、どうするんでしょうね?(*^.^*)私もだから、乗りたくないです。
Re: タイトルなし 
> こんばんわ(ノ´∀`*)

keikoさん、こんばんは。

> 渡し籠おもしろいです。でも、谷間で、力尽きたら、どうするんでしょうね?(*^.^*)私もだから、乗りたくないです。

確か庄川もその支流も谷が深くて、たとえ吊り橋があったとしても相当に怖いと思います。
ここは、その吊り橋すら架けられないところなんでしょう。あのカゴに身を任せる勇気などわいてきません。
力尽きたらどうするかですか。そういう人は乗らないのだと思います。引きこもりを余儀なくされることでしょう。
余りにも浅い知識 
今晩は。

先に、古民家だけを記憶すると書きましたが、記事を拝見して、
そんなこと、とても言えないと感じています。

合掌作りの集落は、白川郷を雪解けの季節に見ていますが、
此処は人が住んでいて、中には入れず、写真撮影だけで、終わっています。

同じ見るなら、基礎の知識だけでも、事前か事後に知って置くべしと感じています。

何処かで既にお書きかと存じますが、この建築は。。
大工のような専門家がいたのでしょうが、
建築費に集落の人が耐えられたのでしょうか。

何時か。。屋根をふき替える時、村人が相互に助け合う風習があったと、聞きましたが。。。

家屋の中の撮影は広角が効いていますね。
私も日曜日にカメラを手にします。

望遠やマクロは、今手持ちのレンズを使います。

カミサンが睨んでいますから。。
こんばんは 
渡しかご?
この時代に生まれなくて良かった~~
自分で綱を引いて渡るんですよね?
僕には絶対無理です!!
Re: 余りにも浅い知識 
> 今晩は。

ijinさん、こんばんは。

> 先に、古民家だけを記憶すると書きましたが、記事を拝見して、
> そんなこと、とても言えないと感じています。

私も気軽に考えて入ったのですが、ちょっと気構えが甘かったかなと反省しています。
もしかして、少し詳しい記事があれば、これから行く方の参考になるかもしれませんし、多分私が再訪するときの備忘になると思います。そう思って、ちょっと気合いを込めて調べてみました。

> 合掌作りの集落は、白川郷を雪解けの季節に見ていますが、
> 此処は人が住んでいて、中には入れず、写真撮影だけで、終わっています。

多分、民宿をしているお宅に一泊して、そのとき見せてもらうのが一番なんでしょうが、なかなかそうもいきませんよね。

> 同じ見るなら、基礎の知識だけでも、事前か事後に知って置くべしと感じています。

それはつくづくそう思いました。屋根の植えぬぺんぺん草が生えているのかなと思ったことがありました。そうしたら、とんでもない話で、芝棟(しばむね)というもののようでした。イチハツやイワヒバを植えていました。
それから土座とか竹簀の子とか、実にいろいろなものがで聞きました。知っていると見逃さないのでしょうが、知らないと全て見逃してしまう可能性大です。

> 何処かで既にお書きかと存じますが、この建築は。。
> 大工のような専門家がいたのでしょうが、
> 建築費に集落の人が耐えられたのでしょうか。

基本的に躯躰は何百年も保たせるので、何とか支弁できたのではないでしょうか。その代わり、次男坊以下は部屋住み扱いですが。そして、問題は茅葺き屋根の葺き替えでしょうが、お互い様でやってきたようです。
いま、川崎市のものは京都の美山の茅葺きの里の職人さんたちに頼むそうですが、2-3000万円程かかるそうです。ですから、茅の上にカラー鋼板などでおおいをしてしまう傾向があるとか聞きました。
なお、江戸時代は、人里離れた奥地で密かに煙硝造りに励んでいたようで、そうした地域は金回りが良かったようです。でも、それは江戸時代の話です。

> 何時か。。屋根をふき替える時、村人が相互に助け合う風習があったと、聞きましたが。。。

今はそうしたくても、住民が年寄りばかりになり、できかねる事情も出てきたとか。

> 家屋の中の撮影は広角が効いていますね。
> 私も日曜日にカメラを手にします。
>
> 望遠やマクロは、今手持ちのレンズを使います。
>
> カミサンが睨んでいますから。。

それで良いのでは。

使っていて漸く分かったのですが、撮影3のタブの1と2とは私の場合、よく使いそうです。
1はAEBの設定。シャッターを押すと、自動的に露出-、適正、露出+を撮ってくれます。そのうちから適当なものを残すというものです。
2はISO感度の設定。秩父夜祭りなどの時に大活躍しそうです。
それと再生中に指2本を開くと画面が拡大し、ピントの甘さなどをチェックしやすくすることができます。

そんなところはよく使いそうな気がしています。後は慣れてもらうしかないようです。付属のレンズは山椒は小粒でもぴりりと辛い感じで、凄く気に入っています。パンケーキレンズは全く使わないかと思いましたが、案外使いそうです。

以上、雑駁なレスでした。
Re: こんばんは 
土佐けんさん、こんばんは。

> 渡しかご?
> この時代に生まれなくて良かった~~
> 自分で綱を引いて渡るんですよね?
> 僕には絶対無理です!!

あれれ、高いところは平気ではありませんでしたっけ。私などは実物を見たときにさっと血の気が引きました。
あんな小さなものに命を託す気になどなれません。
多分、吊り橋もつれないようなところなんでしょうね。引きこもる意思がなくても、引きこもったままになりそうです。

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