散歩三昧

散歩や旅行の合間に撮った写真に簡単な説明を加えました

 

明月院と東慶寺とに行ってきた(7)

東慶寺(3)
本堂と植村宗光和尚の宗光塔
明治時代の東慶寺には1634年(寛永11年)に千姫が寄進した仏殿が現在の菖蒲畑の奥の板碑のあたりに残っていた。しかし、前述したとおり、明治維新で縁切り法が廃止され、寺の財政基盤が大きく揺らぎ、寺領の多くを失い本堂の修理も出来ずに荒れ果て、雨の日には「本堂の雨漏りがひどくて、傘をさしてお経を読んだ」という状態であった。その仏殿は、1907年(明治40年)に三溪園に移築された。私のブログでも、何度か取り上げた立派なものだった。
昭和に入って、円覚寺の僧侶たちが肩入れして、漸く寺の勢いを盛り返すことができたようだ。その中心人物であった釈宗演老師は、目をかけ厳しく指導していた植村宗光の戦死をことのほか悲しんだようだ。それがこの立派な石塔にあらわされている。

本堂
本尊の釈迦如来坐像を祀る本堂「泰平殿」は、佐藤禅忠師が紺紙金泥で観音を揮毫して、昭和10(1935)年に建立したもの。美しい宝形造の屋根を誇る本堂の庭には、春になるとしだれ桜が花をつける。
本堂と植村宗光和尚の宗光塔_1
本堂と植村宗光和尚の宗光塔_2
植村宗光和尚の宗光塔
釈宗演老師に見いだされ、厳しい修行を積み、奥義を究めようとした植村宗光和尚だったが、日露戦争に応召従軍し、戦死した。その死を深く悼んだ老師が、自室の前に宗光和尚の墓塔を建てた。
本堂と植村宗光和尚の宗光塔_3
本堂と植村宗光和尚の宗光塔_4
千姫の仏殿があった頃、中門(現在の山門)の石段の右に聖観音菩薩像を安置していた観音堂・泰平殿があった。後にこれを現在の白蓮舎の前、菖蒲畑のあたりに移築して、本堂とした。しかし、この本堂も1923年(大正12年)の関東大震災で倒壊する。このとき本尊両立の文殊・普賢も消失している。
現在の本堂はその後、1935年(昭和10年)に建てられたもの。つまり、本堂なしの空白期間が、少なくとも12年ほどあったのだ。東慶寺にも冬の時代があったのだ。

書院
1634年(寛永11年)、徳川忠長屋敷から移築された建物だったが、関東大震災で倒壊する。現在の書院は二階堂の山林を鎌倉市に売却した資金で、以前とほぼ同じ間取りで大正14年末に再建されたものだそうだ。どういう都合があったのかは知らないが、本堂よりもかなり速いスピードで再建されたことになる。
徳川忠長公は、江戸幕府第2代将軍徳川秀忠の三男だったが、発狂したとされる。表舞台から痕跡を抹消させたかったのか、その屋敷も当時の東慶寺に移築されてきたのだった。忠長公の墓は、徳川姓の人物であったにもかかわらず、江戸(東京)ではなく、この近くにある。

そもそもは、樹皮葺きの屋根だったのではなかろうか。なんといっても、第2代将軍徳川秀忠の三男のお屋敷だったのだから。
書院_1
書院_2
花菖蒲田
前述の通り、関東大震災前には、この位置に、本殿があった。それ以前には、千姫寄進の仏殿がすぐ近くにあった。いまは、昔のことなど知らぬかのように、花菖蒲が美しく咲いていた。
花菖蒲田_1
花菖蒲田_2
花菖蒲田_3
花菖蒲田_4
花菖蒲田_5
花菖蒲田_6
参道脇の花
ホタルブクロの花も負けてはいなかった
参道脇の花_1
参道脇の花_2
参道脇の花_3
参道脇の花_4
参道脇の花_5

Comments

おはようございます 
美しい菖蒲園ですね〜。とても綺麗に咲き誇っていて撮影がとても楽しかったのではないでしょうか。
ホタルブクロはその名の通りの花ですね!ここにホタルの入った姿を見てみたいです。^^
ふと思う 
写真を見て、ふと思いました。「ホタルブクロ」は古都鎌倉に一番似合う花ではないかしらと。
 
AZTAKさま こんにちは

東慶寺は、古刹のようですが、花の寺として知られ、四季を通じて様々な花をたのしむことができるようですね。
今は花菖蒲田が綺麗に咲いて、隣にはホタルブクロが、紅白で咲いて綺麗です。
この時期蛍も飛び交うのでしょうか。
 
こんにちは。
さだまさしさんの『縁切寺』がヒットしてまもない頃
この東慶寺もおとずれました。
鎌倉はみな歴史的建造物だと思い込んでいたので
他の寺院より思いのほか全体にに明るく建物が新しくて
歌のイメージまで変わってしまった記憶があります。
小説などもそうですが映画化されると
自分が想像していたものと違ったりすることがよくありますよね。

ryu
 
今晩は
花菖蒲も綺麗ですが
ホタルブクロもとっても可愛いですね^^

そう言えば、、今年は蛍撮りに行ってないな(笑
AzTakさん 
こんばんは
そうか、お坊さんも戦死されているんだ。
熊の叔父も戦死、叔母が癌で闘病中、家の湧き水を飲みたいと病床で言い、従兄が何回も東京から汲みに来ました。
その湧き水も近くに高速道路ができて以来。地下水脈が変わったようで、湧かなくなりました。
寂しいことです。
Re: ふと思う 
senri32さん、こんばんは。

> 写真を見て、ふと思いました。「ホタルブクロ」は古都鎌倉に一番似合う花ではないかしらと。

そうかもしれませんね。今頃咲くんですね。イワタバコを見に行ったのですが、思いがけず、ホタルブクロをも見ることができて、ラッキーでした。
あと何日か早いと、イワガラミの特別公開にも間に合うところだったのですが、そちらは残念ながら見ることができませんでした。
Re: タイトルなし 
> AZTAKさま こんにちは

花さか爺サンさま、こんばんは。

> 東慶寺は、古刹のようですが、花の寺として知られ、四季を通じて様々な花をたのしむことができるようですね。

実にいろいろな側面を持った寺院ですね。まずは、縁切寺だったこと。男性僧侶の時代になって、大物の住職が続き、近代の禅研究の拠点になったこと、花のお寺になったこと、…、ともかく、形容するのが難しい寺院です。

> 今は花菖蒲田が綺麗に咲いて、隣にはホタルブクロが、紅白で咲いて綺麗です。
> この時期蛍も飛び交うのでしょうか。

ホタルブクロはきれいですね。市内に蛍が少なからず生息することは間違いがありません。報国禅寺の辺りには、『カワニナをとらないでください』とのお願い書きがあるくらいです。而して、北鎌倉エリアはどうでしょうかね。飛び回ってもおかしくない環境ではありますが。
夜になると、境内の立ち入りができないはずですので、確認しようもありませんが。
Re: おはようございます 
MTさん、こんばんは。

> 美しい菖蒲園ですね〜。とても綺麗に咲き誇っていて撮影がとても楽しかったのではないでしょうか。

この奥辺りに千姫が寄進した仏殿があったそうです。縁切寺法が廃止されて、仏殿が三渓園に移設された後に、代わりの本堂となった建物が、この花菖蒲田にたっていました。関東大震災までのごく短い時期でしたが。あまでらから早々足り禅僧が住職に名を連ねた東慶寺は、近代禅研究の一大拠点となっていったようです。
その移り変わりを見届けたのかもしれませんねえ。

> ホタルブクロはその名の通りの花ですね!ここにホタルの入った姿を見てみたいです。^^

そうですね。少年時代を蛍がいっぱい飛び交う田舎で過ごしましたが、ホタルブクロの中に入り込んだ蛍は見たことがありません。偶然でも、そういうことがあれば、面白いことでしょうね。

こんばんは 
ホタルブクロと言うお花なんですね^^
可愛いお花ですね~
でもこう言う下を向いて咲くお花の撮影、
僕は大の苦手です(^^;
可愛く撮られていますね!
Re: タイトルなし 
> こんにちは。

tgryuさん、こんばんは。

> さだまさしさんの『縁切寺』がヒットしてまもない頃
> この東慶寺もおとずれました。
> 鎌倉はみな歴史的建造物だと思い込んでいたので
> 他の寺院より思いのほか全体に明るく建物が新しくて
> 歌のイメージまで変わってしまった記憶があります。
> 小説などもそうですが映画化されると
> 自分が想像していたものと違ったりすることがよくありますよね。
>
> ryu

東慶寺の建物は、他よりもずっと新しいのです。
縁切寺法が廃止になり、栄華を誇った尼寺は貧乏寺にまっしぐら。千姫寄贈の仏殿を修繕する費用もねん出できず、雨漏りだらけ。どうしようもなくなり、原三渓氏に助けを求めたのです。その代わりに本堂にした建物が、関東大震災で全壊しました。それから実に10年ほど、本堂なしの状態に。
そういう苦しい時代を乗り越えて、禅の研究で名を挙げ、歴史的遺産もふんだんにあることから、だんだん、参拝客が増えていったのでしょう。建物は、鎌倉では最も新しい部類に入るはずです。

いろいろ書いてきましたが、鎌倉自体に古い建物がほとんど現存していないのです。
幕府滅亡の折には戦場になりましたし、その後も、たびたび、焼き討ちなどに遭いました。今の鎌倉のお寺さんは、ほとんどが江戸時代の建物のはずです。それも半分以下くらい。関東大震災で壊滅的打撃を受けましたから。何せ、震源地は隣の隣の茅ヶ崎市沖合でしたから。
世界遺産の登録が見送られてばかりですよね。

Re: タイトルなし 
> 今晩は

x都人x2さん、こんばんは。

> 花菖蒲も綺麗ですが
> ホタルブクロもとっても可愛いですね^^

そうですね。今が旬の花のようです。ここの花は季節ごとに変わり実に楽しいです。花だけだったら、光則寺はもっと楽しいですが。

> そう言えば、、今年は蛍撮りに行ってないな(笑

蛍がいっぱいいるところに生まれ育ったのですが、最近はずっと見ていません。このまま、死ぬまで見ずじまいでは寂しすぎます。どこかで見たいものです。ホテルの庭での蛍狩りはちょっと風情ななさすぎるかもしれません。
Re: AzTakさん 
> こんばんは

のんびり熊さん、こんばんは。

> そうか、お坊さんも戦死されているんだ。
> 熊の叔父も戦死、叔母が癌で闘病中、家の湧き水を飲みたいと病床で言い、従兄が何回も東京から汲みに来ました。
> その湧き水も近くに高速道路ができて以来。地下水脈が変わったようで、湧かなくなりました。
> 寂しいことです。

釈宗演老師は大物中の大物。歴史に名を刻む名僧です。植村宗光和尚が、日露戦争に応召従軍し、戦死したことは誠に悼むべきことではありますが、こうして現代の名僧といわれる方に惜しんでもらえるということは、望外の幸せだったかもしれません。

我が家にも井戸がありましたが、呑川の工事で出が悪くなり、近所ににいっぱいビルが建ち、ついには枯渇してしまいました。
Re: こんばんは 
土佐けんさん、こんばんは。

> ホタルブクロと言うお花なんですね^^
> 可愛いお花ですね~

昔から、野に咲く上品な花ですね。

> でもこう言う下を向いて咲くお花の撮影、
> 僕は大の苦手です(^^;
> 可愛く撮られていますね!

(ФωФ)フフフ・・・、これは下向きでも、あの筒の中をのぞく必要がないので、楽な方では。中を覗きたい(そこで私を想像しないでくださいね)きれいな花さんも少なくないですよね。レンゲショウマやカタクリの花など。背丈が低いので難渋します。寝転がるわけにもいかず、難しいですよね。
次回出てくる極小の花であるイワタバコよりももっと小さくて、地べた近くに咲く花があるんだそうです。下向きの花さんではないそうですが、這いつくばって撮るしかないようです。山野草なので、他の人の迷惑になるわけではないようですが、知り合いによれば、難易度は相当なものがあるようです。

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