散歩三昧

散歩や旅行の合間に撮った写真に簡単な説明を加えました

 

鷹取山を歩く(3)

神武寺
鎌倉の杉本寺の寺伝によれば、杉本寺は天平6年(734年)行基が十一面観音を安置して創建したのに始まるという。これに対し、神武寺の縁起によれば、神武寺は神亀元年(724年)、聖武天皇の命で行基が創建し、平安時代、円仁が再興したという。10年ほど杉本寺より古いのだ。1590年(天正15年)、豊臣秀吉の小田原攻めの際に諸堂が焼失するが、1598年(慶長3年)に薬師堂が再建された。その後、他の堂宇も再建され現在に至っているそうだ。小田原攻めって、こちらまで影響があったのか。うーーん。
仏像などはともかくとして、建物だけでも、国宝もしくは国指定の重要文化財にしてもよさそうに思うが、そういう扱いになっていないのはどうしてなのだろうか。
アクセスが大変だからだろうか、参拝客は少ない。


客殿宝珠殿および庫裏
客殿宝珠殿は阿弥陀三尊を祀る本堂。庫裏をも含めて、一般客は立入禁止扱い。庫裏の屋根の上でちょろちょろ動くものが見えたので、目を凝らして見たら、リスだった。おそらくタイワンリスなのだろう。本堂の柱などをかじらなくても、周囲にドングリなどがたくさんあるので、被害は少ないのかもしれない。
客殿への通路は狭い切通しの岩壁で、一面にイワタバコの群落があるのか。イワタバコは逗子市の天然記念物に指定されているのだそうだ。
私にはどれがイワタバコなのかよくわからなかった。
客殿宝珠殿_1
客殿宝珠殿_2
客殿宝珠殿は障害物が多くてよく見えなかった。残念だ。
客殿宝珠殿_3
総門
装飾など殆どない、至ってシンプルなもの。柱などはかなり傷んでいる感じだ。この格好で300年近くもよく持ち堪えたものだ。
総門は、もとは東逗子駅付近の踏切を渡った所にあった。第二次世界大戦中に表参道の登り口に移された後、昭和50年に現在地に移されている。1733年(享保18年)の建築物といわれている。

総門_1
総門_2
御浦札第一番の石碑
おそらく三浦札所めぐりの第1番札所ということなのだろう。今に残る札所めぐりでは無さそうだが、はて?
御浦札第一番の石碑
鐘楼
1859年(安政6年)に建てられた。もともと、薬師堂の前に鐘楼門があったが、楼門を建てるため、弘明寺へ移築されたと伝えられている。梵鐘は第二次世界大戦で供出され、現在吊されているのは昭和25年に鋳られたもの。「神武寺の晩鐘」は「逗子八景」の一つに数えられている。
鐘楼_1
鐘楼_2
鐘楼_3
鐘楼_4
六地蔵
鐘楼から楼門に至る上り道の曲がるところにある。やっぱりあるところにはあるものなんだ。
六地蔵_1
六地蔵_2
楼門
1761年(宝暦11年)建立
楼門_1
楼門_2
楼門_3
薬師堂
薬師堂は、慶長3年(1598年)造立上葺棟札のある建造物で、神奈川県の重要文化財。本尊は薬師三尊(逗子市重要文化財)。秘仏とされ33年に一度開帳されている(毎年12月13日の煤(すす)払いの日の午前中にも開扉が行われる)。薬師三尊の他、十二神将像、行基菩薩像を安置。
薬師堂_1
薬師堂_2
薬師堂_3
『女人禁制』の石柱があったのか。気が付かなかった。
薬師堂_4
薬師堂_5
薬師堂横の地蔵堂
薬師堂横の地蔵堂_1
薬師堂横の地蔵堂_2
境内に聳える「なんじゃもんじゃ」の木
かながわ名木100選に選ばれている。ホルトの巨木は樹齢400年だそうで、「なんじゃもんじゃの木」とも呼ばれている。そうだったのか。
「なんじゃもんじゃ」の木_1
「なんじゃもんじゃ」の木_2
「なんじゃもんじゃ」の木_3

神武寺は神奈川県逗子市にある天台宗の寺院である。逗子八景の1つ。山号は医王山。詳しくは医王山来迎院神武寺(いおうざん らいごういん じんむじ)という。
周囲は鷹取山と同様、第三期の凝灰岩の岩場に囲まれ、森林の中にあるため気温が低く、従って相対湿度が高いため、シダ類や昆虫が多い。
縁起によれば神亀元年(724年)、聖武天皇の命で行基が創建し、平安時代、円仁が再興したというが、定かでない。
『吾妻鏡』承元3年(1209年)5月15日条には、源実朝がこの日「神嵩と岩殿観音堂」に参詣したことが見える。このうち「神嵩」は神武寺、「岩殿観音堂」は岩殿寺を指す。
薬師堂
本尊の薬師三尊像は秘仏で、正式の開帳は33年に一度とされているが、毎年12月13日の煤払いの日の午前中にも開扉が行われる。

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『相模国三浦郡神武縁起』によると、神武寺(じんむじ)は、724年(神亀元年)、聖武天皇の命によって、行基が十一面観音・釈迦如来・薬師如来を彫刻し祀ったことがはじまりだといわれている。
その後、857年(天安元年)、慈覚によって中興され天台宗に改宗された。
『吾妻鏡』の記録によると、源頼朝も崇敬し、北条政子の安産祈願に神馬が奉納している。
また、三代将軍源実朝は、1209年(承元3年)、神武寺と岩殿寺を参詣した。
1590年(天正15年)、豊臣秀吉の小田原攻めの際に諸堂が焼失するが、1598年(慶長3年)に薬師堂が再建された。
その後、他の堂宇も再建され現在に至っている。
神武寺は鷹取山とともに「かながわの景勝50選」。
~御産加持の命~
『吾妻鏡』によれば、源頼朝は、1192年(建久3年)8月9日、北条政子が産気づいたことから、鶴岡八幡宮と相模国の神社仏寺27ヶ所に神馬を奉り経をあげさせた。無事に産まれたのがのちの三代将軍実朝。27ヶ所の中に神武寺も含まれ、他に大山寺、霊山寺(日向薬師)などの名が見られる(参考:政子安産の祈願所)。

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1209年(承元3年)
5月15日 丁未
  神嶽並びに岩殿の観音堂に御参り。御還向の間、女房駿河の局の比企谷の家に渡御す。
  山水納涼の地なりと。
1590年(天正15年)
8月9日 己酉 天晴、風静まる
  早旦以後に御台所御産の気あり。御加持は宮の法眼、験者は義慶房・大学房等。鶴岡、
  相模の国の神社・仏寺に神馬を奉り、誦経を修せらる。所謂、
    福田寺(酒匂)    平等寺(豊田)    範隆寺(平塚)
    宗元寺(三浦)    常蘇寺(城所)    王福寺(坂下)
    新楽寺(小磯)    高麗寺(大磯)    国分寺(一宮下)
    弥勒寺(波多野)   五大寺(八幡、大會の御堂と号す) 寺務寺
    観音寺(金目)    大山寺        霊山寺(日向)
    大箱根        惣社(柳田)     一の宮(佐河大明神)
    二の宮(河匂大明神) 三の宮(冠大明神)  四の宮(前祖大明神)
    八幡宮        天満宮        五頭宮
    黒部宮(平塚)    賀茂(柳下)     新日吉(柳田)
  先ず鶴岡に神馬二疋(上下)、千葉の平次兵衛の尉・三浦の太郎等これを相具す。そ
  の外の寺社は在所の地頭これを請け取る。景季・義村等奉行たり。巳の刻に男子御産
  なり。鳴弦は平山右衛門の尉季重・上野の九郎光範なり。和田左衛門の尉義盛引目役
  に候ず。小時、江間の四郎殿・三浦の介義澄・佐原の十郎左衛門の尉義連・野三刑部
  の丞成綱・籐九郎盛長・下妻の四郎弘幹(悪権の守と号す)、以上六人御護り刀を献
  ず。また因幡の前司・小山左衛門の尉・千葉の介以下の御家人、御馬・御劔等を献ず。
  御加持・験者等これを給わる。八田兵衛の尉朝重・野三左衛門の尉義成・左近将監能
  直御馬を引く。加賀の守俊隆別禄(衣)を取る。次いで阿野上総の妻室(阿波の局)
  御乳付けとして参上す。女房大貳の局・上野の局・下総の局等御介錯たるべきなり。
  次いで御名字定め有り。千萬君と。

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JR東逗子駅の踏切を渡ってまっすぐに行くと、右手に「天台宗神武寺」と刻まれた鷹取石でできた石柱が建っています。ここが表参道の入口です。
神武寺までの登り坂は、杉や桧の植林や雑木林に囲まれた道で、逗子層と呼ばれる泥岩が岩肌を現わし、石畳のように凸凹しています。やがて山門ですが、直前で池子参道(京急神武寺駅から逗子中学校裏、逗子ホームせせらぎ横を登ってくる道)が左手より渓谷を登り詰めて合流してきます。
神武寺は神亀元年(724年)に建てられた国分寺の一つで、僧行基の開創と伝えられる天台宗の古刹です。客殿への通路は狭い切通しの岩壁で、一面にイワタバコの群落があります。イワタバコは逗子市の天然記念物に指定されており、初夏には可憐な花を見せてくれます。
岩壁の上に建つ鐘楼は、四方の柱に精緻な龍の彫刻が施された華やかな建物です。さらに上段に本堂(薬師寺)があります。境内の周辺の木々は大樹が多く、本堂前にあるホルトの巨木は樹齢400年「なんじゃもんじゃの木」とも呼ばれています。本堂左手から頂上を目指す急勾配の斜面に「従是右奥之院女人禁制」の石碑があります。明治の始めまでは女人禁制でした。今では自由に歩けますが、山伏、修験者の荒修業の道場だった往時が偲ばれる碑です。
登り詰め、いくつも並ぶ大盤石をぬって岩上の展望台に立つと、伊豆、三浦、房総半島が眺望できます。この先は巨石の間を抜けていくとやがて一体の岩山となり、垂直の岩壁(戦前まで利用された石切場の跡)の鷹取山が現れます。

Comments

こんばんは。 
いかにも鬱蒼として、夏向きのルートですね。イワタバコ、残念でしたね。初夏の花で、いまは葉も枯れてしまうので見分けはつかないですね。初夏の葉はすごく分かりやすいのですが、花期が短いので、谷歩きに慣れた僕も過去にわずかな遭遇しかできていません。出会った人はラッキーですね。群生を見たい思いです。
 
AzTakさん、こんにちは♪

1枚目のお写真、よいですね^^
歩いてきたここの道から建物が見えて・・・
なんだか民話に出てきそうな風景だなと思いました。
お地蔵さんもちゃんと笠を被っていて
こちらもお写真を拝見してほのぼのした気分になりました♪
タイワンリスはこのあたりにもちょろちょろしているんですね(笑)
AzTakさん 
こんにちは
シンプルな総門、6本の柱で何の飾りもないのがいいです。
薬師堂、良く見えなくていけないんですが、屋根の4隅は直線なのに、庇は曲線曲線になっていて、その曲線に沿って葺いてありますね、
横の地蔵堂のようになっていないようなので面白いと思いました。
 
総門といい、鐘楼といい屋根が大きく張っているのが特徴でしょうか。
おっしゃる通りこのスタイルで永年持ちこたえているのはすごいと思います。
しかしこのあたりの取材は本当にご苦労様です。大変勉強になりますが、歩かれているAZTAkさんには申し和k訳ないです(^^:
こんにちは。 
風情のあるお寺ですね。
写真好きの人にはたまらない景色が広がっているようです。
(写真好きの人の為の寺では無いですね、信仰の心で見させていただきます)
こんにちは 
なんじゃもんじゃ、って ひとつばたご の事ですよね

てっきり、この呼び方は名古屋地方の方言かと思っていました

犬山市にも、自生地があって数本の木が5月初旬頃に白い花を咲かせてくれます

Re: こんばんは。 
HARUさん、こんばんは。

> いかにも鬱蒼として、夏向きのルートですね。イワタバコ、残念でしたね。初夏の花で、いまは葉も枯れてしまうので見分けはつかないですね。初夏の葉はすごく分かりやすいのですが、花期が短いので、谷歩きに慣れた僕も過去にわずかな遭遇しかできていません。出会った人はラッキーですね。群生を見たい思いです。

どこかで、これがイワタバコだよと教えられた記憶があるのですが、その時は、葉っぱだけ。やっぱり、花のほうを見てみたいものですね。
『群生』と書いたのは逗子市の教育委員会ですから、たぶん、それなりの数があるのでしょうね。
Re: タイトルなし 
> AzTakさん、こんにちは♪

Mikaさん、こんばんは。

> 1枚目のお写真、よいですね^^
> 歩いてきたここの道から建物が見えて・・・
> なんだか民話に出てきそうな風景だなと思いました。

確かにいい感じでした。これでイワタバコの花が咲いていれば、最高だったのですが、…。
群生しているそうで見てみたいと思わないわけではありませんが、其のためには、またこの山道を上ってこなくちゃいけませんね。

> お地蔵さんもちゃんと笠を被っていて
> こちらもお写真を拝見してほのぼのした気分になりました♪

お地蔵さんには、何故かホッコリさせる効用があるようです。

> タイワンリスはこのあたりにもちょろちょろしているんですね(笑)

鎌倉あたりから遠征してきたんでしょうね。はっきり言って、害獣のようです。困ったものです。
Re: AzTakさん 
> こんにちは

のんびり熊さん、こんばんは。

> シンプルな総門、6本の柱で何の飾りもないのがいいです。

最近の惣門はゴテゴテ装飾のあるものが多く、それに比して、あまりにも簡素なので、こんなのでいいのかなあと思うくらいです。

> 薬師堂、良く見えなくていけないんですが、屋根の4隅は直線なのに、庇は曲線曲線になっていて、その曲線に沿って葺いてありますね。
> 横の地蔵堂のようになっていないようなので面白いと思いました。

たしかにそうですね。秀吉の小田原攻めでまきぞえをくらったということらしいのですが、それでも築後四百数十年、関東では抜群に古いものです。室町末期の様式を留めるものだとか。室町末期の様式って、こんなふうだったのでしょうかね。
それにしても、小田原の後北条を攻めるのに、何で鎌倉や逗子まで攻めなくちゃいくないのでしょうね。やり過ぎのような気がしないでもありません。
Re: タイトルなし 
cobo-feさん、こんばんは。

> 総門といい、鐘楼といい屋根が大きく張っているのが特徴でしょうか。

結構古い建物が目白押しのようです。さすがに此処は、強固な岩盤の土地なので、約百年前の関東大震災などではびくともしなかったようですね。

> おっしゃる通りこのスタイルで永年持ちこたえているのはすごいと思います。

柱がごく細い上に結構、傷んでいるんですよ。大丈夫かなって、心配してしまいます。

> しかしこのあたりの取材は本当にご苦労様です。大変勉強になりますが、歩かれているAzTakさんには申し訳ないです(^^:

ははは、好きでやっていることなので、気にしないでください。今回は、ちょっと見込みより険しい山だったので、見通しが甘すぎると、少し落ち込んではいますが。
Re: こんにちは。 
S-masaさん、こんばんは。

> 風情のあるお寺ですね。
> 写真好きの人にはたまらない景色が広がっているようです。
> (写真好きの人の為の寺では無いですね、信仰の心で見させていただきます)

参道を通らせてもらった上に、境内で10分ほど休憩をとらせてもらいました。非常に助かりました。HPでPRするくらいすれば、もう少し惹かれて行ってみる気になる人が増えそうに思いますが、今のところは静かなものです。
何故に、杉本寺よりも10年創建が早く、建物もはるかに古いのに、こちらには、重きが置かれないのか、その理由を知りたいのです。
Re: こんにちは 
dさんさま、こんばんは。

> なんじゃもんじゃ、って ひとつばたご の事ですよね
> てっきり、この呼び方は名古屋地方の方言かと思っていました
> 犬山市にも、自生地があって数本の木が5月初旬頃に白い花を咲かせてくれます

ここではヒトツバタゴではなく、ホルトノキのようです。そちらは多数派のヒトツバタゴなんですね。いろいろあるものです。
「ナンジャモンジャ」と名付けられる植物の樹種は、ヒトツバタゴのほか、ニレ、イヌザクラ、ボダイジュなど様々である。「ナンジャモンジャ」と称される理由について、民俗学では、元々は占いや神事に利用されていたもので、植物名で直接呼ぶことが憚られたものではないか、とみる説などがある。

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