散歩三昧

散歩や旅行の合間に撮った写真に簡単な説明を加えました

 

またも出かけた日本民家園(18)

(23)菅原家住宅《東北の村》
外観
グシグラという屋根棟
神社にあるそれを思わせる。何ともすごいものだ。
外観_1
外観_2
外観_3
外観_4
外観_5
外観_6
外観_7
角(かど)に角(つの)があるような独特のやり方。今まで気づかなかった。
外観_8
屋内
間取り
間取り
アマヤ
濡れた雨具は、ここにつるした。湿気を屋内に持ち込まないようにしたのだろう。
屋内_1
ニワ・ナヤ・モノオキ・イナベヤ
屋内_2
このくらいの隙間は雪の時には囲いをするだろうから、気にならなかったと思う。
屋内_3
使いやすそうな座り流し。武者窓もしっかり備えてあったようだ。熊などが顔をのぞかせても困るだろうから、当然なのだろう。
屋内_4
オメエ
火棚のついた囲炉裏がある。しっかり木をくべたのだろう。家族が集う現在のリビング的な間だろう。
屋内_5
屋内_6
シモデ
こちらにも囲炉裏があったが、火棚はつけていない。囲炉裏としては補助的な位置づけだったのではなかろうか。その先に見える畳の間はカミデ。
屋内_7
表示にはデイと書かれてあった。間取り図と表記が異なるなあ。でも『下デイ』という意味合いなのだろう。客をもてなすことができる少しかしこまった部屋のようだ。
屋内_8
シモデの外から中を見た様子。奥はオメエだ。
屋内_9
カミデ
『上デイ』ということなのだろう。床の間やアミダサマと呼ばれる仏壇・仏具入れなどがある。
屋内_10

神奈川県指定重要文化財
旧所在地:山形県鶴岡市松沢
建物区分:農家(肝煎の家)
構造形式:寄棟造(高ハッポウおよびハッポウ付き)、妻入、一部二階、背面庇付、茅葺、桁行15.8m、梁行9.6m
建築年代:18世紀末期
屋根に高窓のある豪雪地帯の家

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教育委員会の解説
古来より霊山としての信仰を集めた出羽三山の湯殿山・月山を東にひかえた、山形県東田川郡朝日村の田麦俣は、美しい外観を持つ「ハッポウ造」民家のふるさととしてよく知られている。菅原家住宅は同じ朝日村だが、田麦俣とは谷ひとつを隔てた大鳥川沿いの松沢に所在していた。同じ村のうちでも、田麦俣の民家とは外観も間取りも異なり、むしろ南に隣接する越後の朝日山麓の民家に親近性を持つといわれる。
菅原家は代々肝煎を勤めたと伝える有力農家で、その主屋は18世紀末頃の建築と推定されている。妻側に設けられた入口の上部2階はセガイで持ち出し、高ハッポウと呼ばれる開口部を設ける形が、この家の外観の最も大きな特徴である。この地方は有数の豪雪地帯で、高ハッポウは積雪時の出入口としても利用したようである。また、屋根の平側にも開口部(ハッポウと呼ぶ)を設け、小屋裏の採光と換気に役立てている。急勾配の屋根の棟上に置かれた、神社の置千木を思わせるようなグシグラも特徴的である。
土間への出入口は妻側に設けられたアマヤの奥に置かれる。アマヤは今でいう風除室、あるいは雪よけのための施設だろう。床上は4室からなり、表(南)にデイ(シモデ)・カミデイの2室の客座敷を置く。田麦俣ではこれらは妻側に置かれるから、両者は異なる系統の間取りである。カミデイは唯一の畳敷の部屋で、床の間の隣りにアミダサマが設けられるのもこの家の特色である。村の人々がここに集まって、大きな数珠をみんなで繰回しながら念仏を唱える、いわゆる百万遍念仏を行ったというから、肝煎という家柄ならではの施設であったのだろう。竿縁天井を張るが、竿縁が床の間に直交する、いわゆる床刺しであるのが珍しい。デイの裏側のオメエはこの家の中心で、大きな囲炉裏の上にはアマダナが設けられ、衣類の乾燥や、食物をいぶして保存するためなどに用いられた。ウーヘヤは寝室で、ここには低い中2階が設けられている。ウーヘヤを除く部屋の天井は高く、デイ及び土間は根太天井、オメエは竹簀子天井である。また壁は土壁を用いず、すべて板壁である。
構造は4周の半間幅を下屋とし、チョーナ梁を用いるのは合掌造と同じである。オメエの上部を除いて板敷の2階が造られ、一部は3階とする。高ハッポウのある妻側2階は床が一段低いが、これは積雪時の出入りを考慮してのことだろう。田麦俣の特徴ある多層民家の形成は、明治期に入って養蚕が盛んになり、そのために必要な床面積を増やすために2階・3階を設け、そしてそこの換気や採光のための開口部が必要となったため、ハッポウや高ハッポウが造られた結果とされている。菅原家も多層民家ではあるが、建立時期は田麦俣のハッポウ造よりも古く、そのため高ハッポウも小さい。平側のハッポウも旧状にならって取り付けられているが、創建時にあったか否かは明らかでない。
以上のように、菅原家住宅は同じ村内でありながら田麦俣の民家とはやや異質な多層民家であり、また高ハッポウを持つ民家としては古く、この地方の養蚕と民家の形式の関係を知るうえで重要な遺構である。


以上で、『またも出かけた日本民家園』シリーズは終了です。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

またも出かけた日本民家園(17)

(22)工藤家住宅《東北の村》
国指定重要文化財の南部の曲屋。当初から曲屋として造られたものとしてはごく初期のものらしい。この家屋は日本民家園のコースから分岐した位置にあって見落とすことが少なくなく、確か私は2度目の見学。床上公開には当たったことがない。
主屋には天井がない。厳しい冬場は囲炉裏の火で家全体を暖めながらすごした。言ってみればセントラルヒーティング。ダイドコの囲炉裏はニワからも利用することができるのはいいのだが、見た感じでは囲炉裏がたった一つしかないようだ。それも非常に大きいとは言いかねるものだ。厳冬期には震えあがるほどに寒かったのではないのかと気になって仕方がない。

外観
その後に作られた曲屋はもう少し曲がり部分が長いようだ
外観_1
外観_2
外観_3
外観_4
屋内
間取り
間取り
大きな囲炉裏
そのように教育委員会の解説に記載されていた。しかし、特に大きいとは思えない。ニワからも履物を脱がずに温まることができるようにはなっているが、このかなり大きな家屋全体を温める暖房源としては、何とも心もとなく思えてしまう。
屋内_1
屋内_2
ニワ
大戸口と隣接するマヤ辺りを見た様子。この部分だけでもかなり広いことがわかる。囲炉裏が一つだけで足りるのか心配になるのは私だけだろうか。
屋内_3
ダイドコ
屋外からダイドコやニワ、ジョウイなどを見た様子。天井は吹き抜けになっていて、ここから暖気が各部屋に回すようになっていた。
屋内_4
ジョウイとカッテノマ
屋内_5
ザシキ
囲炉裏から一番遠く、客用の部屋だと思われるのに、相当に寒そうに見える。雪が深くなる冬季には訪ねる人も少なくなるということだろうか。火鉢などは移築の際に処分したのか、それとも最初から用意しなかったのだろうか。
屋内_6
シモザシキとザシキ
屋内_7
屋内_8

国指定重要文化財
旧所在地:岩手県紫波郡紫波町舟久保
建物区分:農家(名主の家)、曲屋
構造形式:寄棟造、茅葺、桁行19.2m、梁行11.1m/南面に馬屋突出、寄棟造、茅葺、桁行7.6m、梁行6.3m
建築年代:宝暦(1751〜1763)頃

 

またも出かけた日本民家園(16)

(21)菅の船頭小屋《神奈川の村》
園内の建物に含めるかどうかは微妙だが、この建物が一番新しく築後86年。あまりにくたびれているので少なくとも百年は経過しているのかと思ってみていたが、意外に新しいものだと知って驚かされた。そして、渡し場自体は昭和48年まで存続した様だ。
この船頭小屋は多摩川の「菅(すげ)の渡し場」にあったもので、船頭が客待ち・休憩・川の見張りをするのに用いていた。
屋根は杉皮葺きで、前後に傾斜させた「招き屋根」の形をしている。そして前後につけられている鉄環がわかるだろうか。これは反対側にもついている。これに棒を通し、いざというときに安全なところまで担いで非難したのだそうだ。4人で担いだのだろうか。重量的には力持ちならば1人でもイケそうな感じだが、非常時には4人も人が確保できないかもしれない。担ぎ方次第では2人でもイケたのかなあ。

菅の船頭小屋_1
担ぎ方はこんなふう
担ぎ方のイラスト
正面からの写真は昨年6月のもの。気づかなかったが、障子戸は開けると宙に浮く感じなんだ。
菅の船頭小屋_2
背面には小さな窓があり、対岸の客を見ることができるようになっていた。窓がついているのは承知していたが、そういう使い方をしたのか。気が付かなかった。
菅の船頭小屋_3

『多摩川の渡し』を説明したHPへjump

川崎市重要歴史記念物
旧所在地:神奈川県川崎市多摩区菅
建物区分:船頭小屋
構造形式:切妻造、杉皮葺、桁行1.8m、梁行1.8m
建築年代:昭和4年(1929)

 

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